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この投稿は、
訴えられた橋下徹弁護士の騒ぎに思う(天木直人のブログ 9/7)
http://www.asyura2.com/07/senkyo41/msg/787.html
に対する反論として投稿したものです。本来、直接レスポンス投稿とすれば良いのですが、元投稿がかなり下に下がってしまったので新規投稿としました。
天木直人さんの意見には共感するものが多いのですが、今回の意見には看過できないものがあります。
まず、「弁護士の究極の使命は何か。それは顧客である被告の減刑の実現にあるという事かもしれないが、正義をまげてまで不当な減刑を勝ち取る事では決してないはずだ。」とありますが、天木直人さんには、正義が絶対的なものである、という考えが根底にあると思われます。そうでなければ、このような発言はしないはずです。私は絶対的な正義というものは存在しないと思います。正義とは、対極にある悪も含めて、相対的なものです。もし絶対的な正義があるとすれば、それは宗教でしょう。
次に、天木直人さんは「死刑を容認し、北朝鮮の拉致問題を厳しく糾弾する私は、いわゆる左翼的な考えの人たちから批判される。」と書いておられますが、死刑制度に対する態度と、拉致問題に対する態度は、性質の異なる問題です。一緒にすべき問題ではないでしょう。
さらに、「これほどの残酷な犯した被告に対し、理屈にあわない論理をもって弁護する弁護団に、大いなる疑問を抱いてきた一人である。」とありますが、なぜ弁護団が「理屈に合わない主張」をしたその理由をご存知でしょうか。
「理屈に合わない主張」とは、弁護団の主張する被告の動機や犯意が「常識的に考えて余りにも幼稚すぎる」ということだと思います。弁護団がこうした主張をしたのには、被告の精神鑑定の結果を受けてのものです。
8月半ば頃でしょうか、ある週刊誌に被告の精神鑑定をした精神科医(野田正彰氏)にインタビューした記事が載ったことがあります。その精神科医が語ったことによると、被告は幼少の頃から、父の母に対する日常的暴力の中で育ち、次第に母をかばうようになったということです。その関係が母との母子相姦関係にまで発展していきました。少年時代のある日、母親が首つり自殺した現場を被告は目撃しています。そうした生い立ちから、被告の精神年齢は、犯行当時18であったにも関わらず、小学生程度で止まっている、と診断したとのことです。被告が今回の事件の前に別件で事件を起こし、少年鑑別所に入っていたときの職員の記録には、被告の精神年齢は5、6歳程度と書かれていたということです。少年の不幸な生い立ちから、実年齢と精神的年齢に大きな乖離が起きていたのです。
弁護団の主張は表面的に見れば「荒唐無稽」でしょう。しかし、被告の生い立ちを知れば、そう言い切ることができるでしょうか。
この件で、精神鑑定を行なった精神科医が死刑制度廃止を主張している野田氏であるということは、被告の生い立ちの問題とは無関係なことは言うまでもありません。
私は死刑制度の是非を問題にしているのではありません。ほとんど全てのマスメディアが、遺族の主張を大々的に取り上げ、被告が死刑になるのが当然というメッセージを流し続ける中で、私たちには事件の真相を見ようとする姿勢が大切ではないでしょうか。
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