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2007年09月07日
テロ特措法延長問題の議論がなぜ深まらないのか
7日の読売新聞で元外務次官、駐米大使の栗山尚一(たかかず)氏が、「テロ特措法が延長されなければ日本は国際責任を放棄することになる」という激しい寄稿文をよせている。
同様の反論は、8月27日の朝日新聞「視点」において、カート・キャンベル、マイケル・グリーンという米国元高官が異例の連名で行なっていた。
その論理は共通しており、もとをたどれば、そもそもシーファー駐日大使が小沢民主党代表に対して反論したロジックと同じである。
すなわち、テロは国際秩序に対する重大な挑戦であり国際社会が結束して対応しなくてはならない犯罪である。国際社会はそのようなテロとの戦いに対する危機意識を共有しており国連安保理や北大西洋条約機構(NATO)は決議を採択し、声明を発している。日本の協力はこれまでにも高く評価されてきた。ここで日本が支援を中止すれば国際責任を放棄することになり批判は免れない。
こういう論旨である。
これに対し、民主党はいまだ正面からなんらの反論をしていない。私はキャンベルとグリーンによって連名投稿が寄稿された時、民主党が直ちに反論することを期待していた。しかし未だなんらのまとまった反論がどこのメディアにもなされていない。聞こえてくるのは、これまで反対してきたのだからその方針を貫くのは当然だとか、米国が始めた一方的な戦争だから賛成できないとか、人道援助による協力は行ないたい、といった断片的な言葉が、何人かの要人からバラバラに聞こえてくるだけだ。挙句の果てに鳩山幹事長に至っては、6日の浜松市での講演で、国際安全支援活動(ISAF)であれば(国連決議があるので)後方支援に限って協力できるかもしれないなどと言い出す始末だ。アフガンでの軍事活動は正しいというのか、自衛隊に犠牲を求めるわけにはいかないから後方支援で誤魔化そうとするのか。それでは自民党とまったく同じである。
なぜ民主党はテロ特措法の延長に反対するのか。反対するのならなぜ正面から、米国・自民党の議論に反駁しないのか。米国のテロとの戦いは世界の平和と安全に決してつながらない、それは過去6年間の国際情勢の現実が証明されている、国連決議は決して米国の軍事行動を認めているわけではない、ましてや国連加盟国に共同行動を取ることを求めてはいない、有志連合の行動は決して国際社会の総意ではない、いま急がれるのはテロとの戦いではなく、反米武装抵抗の最大の根源であるパレスチナ問題の公正かつ永続的な解決を急ぐことである、などという反論を、今こそ民主党は正面から行なうべきなのである。
それよりもなによりも、テロ特措法に逸脱してイラクやアフリカでの米軍作戦にまで補給活動をしている疑義が明るみになった中にあって、なぜ米国に情報提供を求め、これを国民に提示して、テロ支援特措法延長反対の理解を得ようとしないのか。米国はいかなる情報も提供すると約束した。これを使わない手はない。
民主党の内部事情からそれができないのか。それとも優秀な人材が民主党には不在なのか。いずれにしてもこのまま国会での審議に突入すれば民主党は劣勢に置かれることになる。政局がらみの動きに終始していては国民は離れていく。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/09/07/#000516
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