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2007.9.4(その2)
森田実の言わねばならぬ[529]
平和・自立・調和の日本をつくるために【357】
9月2日付東京新聞朝刊コラム〈時代を読む〉に掲載されたジェラルド・カーティス教授の論評「民主党のつまずき」は、日本の政治と民主党への甚だしい偏見であり、カーティス教授自身の「つまずき」である
「偏見は判断を持たない意見である」(ヴォルテール)
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カーティス教授は〈時代を読む〉で大変に間違った考えを述べている。残念である。
《民主党はすでに二つの大きな間違いを犯したように思われる。しかも、参院選勝利から数日もたたぬ間に。 まず、郵政民営化凍結法案を提出したのは、仰天するほどだ。》
《もう一つの疑問は、十一月に期限が来るテロ特措法の延長問題で、小沢代表が説明した反対理由だ。》
《小沢代表は、それがまず「米国の戦争」であり、米国がアフガニスタンでタリバン攻撃を開始する前、国連安保理が決議を行わなかったため、テロ特措法延長に反対だという。…もし日本が何もしなかったら、日米関係がどれほど危機に陥っていたか…》
以上の議論は、信じられないほどの日本の政治、民主党に対する偏見にもとづいた謬論である。カーティス教授ほどの著名な学者にしては、それこそ「仰天する」ほどの大間違いである。
第一。民主党は郵政民営化法案に反対した。同法案は参議院で否決された。国会は国権の最高機関であり、内閣は議会の決定を受け入れなければならない。それなのに、小泉首相は国民に聞くとして同法案を可決した衆議院を解散した。小泉内閣はマスコミを動員して政治的熱狂をつくり出し、郵政選挙に勝利し、同法案を成立させた。
小泉首相のこの衆院解散は明らかに憲法違反である。暴挙であった。あれから2年たって、多くの国民はこのことに気づいた。2007年7月29日に行われた参院選での自民党大敗の一因はここにあった。
民主党が、他の野党と共同して郵政民営化凍結法案を出したのは、当然すぎるほど当然のことである。これを非難するのは、日本の政治とくに民主党に対する著しい偏見である。
第二に、日本は主権国家であり、法の支配が確立した民主主義国であることを、カーティス教授は認めていないのではないか、と言いたくなるほどの謬論である。
日本は主権国家であり、日本政府は日本の憲法と法律に従って行動しなければならない。米国政府が日本政府に求めていることが、日本の憲法と法律上不可能なことであれば、日本政府はそれをしてはいけないのだ。いくら米国政府が怒ろうと(怒るのが間違っている)、政府は憲法違反をしてはならない。
米国政府は日本を主権国家として扱うべきである。日本国憲法は日本が「米国の戦争」に自衛隊を出動させることを禁じている。憲法第9条がある以上、むやみに自衛隊を海外に派遣してはいけないのである。
日本政府が米国政府からの要請があるからといって、米国政府の言うとおり動かなければ米国政府がへそを曲げるからといって、日本国憲法と法律を無視して自衛隊を米国政府の求める地域に派遣することは、できないことである。してはいけないことである。
小泉政権は憲法上許されないことをした。参院選で大きな支持を得て参議院の第1党になった民主党が、小泉政権が犯した過ちを直すのは当然である。
小沢一郎民主党代表が、テロ特措法の延長に反対するのは正しい。日本国民の多数が民主党を支持している。民主党が国連安保理決議がないままの自衛隊派遣をやめさせるのは正しいのである。
米国政府が強くいえば日本はどんなことでも飲むと考えるのは、米国側の傲慢である。日本国民をあまり見下さないでいただきたいと思う。
日本政府も、たまには米国政府に「ノー」と言うべきである。日本政府が、一度でも「ノー」と言ったら米国政府が怒って何をするかわからないから、すべて「イエス」と言え――という議論はやめてもらいたいと思う。
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03647.HTML
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