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「言っていることと、していることが違う」というのは、他人を非難する時によく出てくるせりふである。私などもそう言われると弱い面がある。誰しも言行の矛盾はあるとはいえ、一国の指導者ともなると、そうした矛盾は小さいほどよい。そう思いながら安倍改造内閣を見ると、やはり「美しい国」の指導機関というにはあまりに醜いと感じる。
舛添要一氏の入閣を聞いて、先生それはないでしょうというのが率直な感想である。入閣を確実視されていた参議院議員が袖にされて、抗議の電話をかけるなど、沙汰の限りである。ポストを提供されればそれまで言ったことをすべて消去して権力者の僕となり、冷たくされると不平をぶちまける。どちらにしても、品格に欠けること著しい。志操を貴ばない為政者に美しい国が造れるはずはない
改造によって多少支持率が上昇したとはいえ、安倍政権はこれからもレームダックのままである。国民が選挙で安倍を拒否したのだから、その彼がどんなに優れた政治家を取り込もうが、信頼される内閣ができるわけはない。こういう時は、政治家失格の安倍など相手にしないと、党内野党を決め込んで、大所高所からの正論を唱え続ける方が、よほど格好いいと思うのだが。
冷遇に耐えられない政治家など、無用の存在である。今まで自民党にさんざん悪態をついてきた私だが、こんな自民党を見ていると本当に心配になる。
(東京新聞9月3日)
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