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2007年08月31日
米国とイスラエル
久しぶりに一気に通読した。たまたま本屋で見かけて購入したジェームズ・ペトラスの手による「アメリカのイスラエルパワー」(高尾菜つこ 訳、三交社)という本である。米国とイスラエルの関係を教えてくれる文献はあまたある。しかし「アメリカの中東戦略のすべては、イスラエルの植民地拡大と覇権のために決定されている」と言い切るペトラス教授のこの本は、私が眼にしたどのシオニスト批判の書よりも本質に迫っている。
ペトラスは言う。米国がイラク戦争を始めたのは決して石油の為ではない。イスラエルの安全保障のためだと。
ペトラスは言う。米国は共和党(右)と民主党(左)とを問わず、すべての政治家はイスラエルの国益と一体であると。
ペトラスは言う。シオニストに不利な情報は一切押さえ込まれ、有利な情報だけが誇張して報じられると。
ペトラスは言う。米国の外交政策を声高に非難するチョムスキーでさえも、ユダヤロビーの影響については認めようとしないと。
ペトラスは言う。ユダヤロビーの影響力によって、やがて世界は、イスラエルの残虐行為に対する抗議や、ユダヤロビーに対する一切の批判を、「憎悪犯罪」として処罰するようになるだろうと。
ペトラスは言う。シオニストの完全な影響下にある米国の中東政策は、スパイ、拷問、暗殺、大量殺戮と、行き着くところまで行きつつあると。
ペトラスは言う。イスラエルはパレスチナとの平和などまったく念頭にない。あるのはパレスチナ人のアパルトヘイト化(人権を剥奪した上での隔離)であると。
ペトラスは言う。中東でのあらゆる戦争は、すべてイスラエルによって、年月をかけて、周到に計画されているものであると。
ペトラスは言う。米国大統領や英国首相をはじめとする人道犯罪を犯した指導者に正義が行われない限り、平和と和解は実現されないと。
そしてペトラスは最後にこう結ぶのである。
「・・・我々には世界中に多くの同盟者がいる。米国民の懸念が深まっている今、我々の思想や疑問は共感を呼ぶはずだ。その第一歩を踏み出して、我々の国や政治、そして心を、植民地から解放しよう。そして植民地主義や新帝国主義のしがらみのない、民主的な共和国を再建しようではないか!」と。
私はペトラス以上にシオニストに批判的だ。私はペトラスの最後の言葉ほど楽観的になれない。それでもこれだけは断言できる。日米軍事同盟重視を叫ぶ日本の政治家は、イスラエルと言う国を直視しなくてはならない。イスラエルと米国の結びつきを忘れてはならない。これが外交官生活の最後にレバノンに勤務した私がたどり着いた結論である。
そして今日(8月31日)もまた、日常茶飯事のように、次のような記事が外報面に小さく報じられている。
「・・・パレスチナ自治区ガザで29日、子供三人がイスラエル軍の攻撃により死亡した。イスラエル軍からの砲撃の破片で死亡したと見られている。イスラエル軍報道官は過激派が子供たちをロケット弾発砲装置などの回収に使っていると非難した・・・」
http://www.amakiblog.com/archives/2007/08/31/#000504
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