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http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/kaneko/news/20070830dde012070058000c.html
「テロとの戦い」は「イデオロギー闘争」である−−ブッシュ米大統領は22日、退役軍人の集まりで断言した。
イラクやアフガニスタンにおけるイスラム原理主義イデオロギーを米国流の民主主義に変える。その日まで戦争は続く。大統領は「まだ序の口だ」と明言した。
「イデオロギー闘争」とは、化石のような言葉だが、人ごとではない。日本は、テロ対策特別措置法でアフガンの戦いに参加している。海上自衛隊の補給艦がインド洋で「イデオロギー闘争」の一翼を担っているのである。
テロ特措法は時限立法である。じきに期限が切れる。政府・与党は延長、野党は反対だが、これまで政府は、これが「イデオロギー闘争」であると説明したことがあるだろうか。少なくとも国会の議事録には見えない。
ブッシュ大統領は、米国による「イデオロギー闘争」の歴史について長広舌を振るった。真っ先にあがったのが「日本帝国主義の狂信的なシントー(神道)イデオロギー」との戦い。真珠湾奇襲や「自殺攻撃(特攻)」を、ウサマ・ビンラディンの9・11同時テロやイラクの自爆テロと同列に論じ、米国の民主主義は勝つべくして勝ったと語った。
米国は、神道をつぶすかわりに、すべての宗教に自由を保障するという民主主義を与えた。民主主義を受け入れるはずはないと思われていた日本人が、民主主義の優等生になった。だから、イラク人やアフガン人もイスラム原理主義を捨て、民主化できると言いたいわけだ。
大統領は、もう二つアジアにおける「イデオロギー闘争」をあげた。北朝鮮の共産主義と戦った朝鮮戦争と、ベトナム共産主義とのベトナム戦争だ。
米国人の血で守った韓国はいま繁栄し、民主主義の正しさを証明している。ベトナム戦争では米国は撤退したが、その結果、インドシナ半島では「ボートピープル」「思想改造所」「キリングフィールド」など悲惨なことが起きたではないか。
おそらく大統領が言いたかったのは、その次だろう−−対テロ戦争はベトナム戦争と違って、米軍が撤退したらイスラム原理主義者は米国まで追いかけてくる。だから米国を守るために撤退できないのだ。
この恐怖感にかられて、大統領は「イデオロギー闘争」にのめりこんでいる。勝利の日はいつか。テロ特措法を100回延長したころか。(専門編集委員)
毎日新聞 2007年8月30日 東京夕刊
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