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(回答先: 目立ちたがり屋に乗っ取られると言論の自由が死ぬ 投稿者 浦島 日時 2007 年 8 月 23 日 14:34:18)
古い本から引用しよう。こういう政治家が良い方向に変わるとは思えない。
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小沢一郎氏が絶対口にしない戦略と最終目標は何か
このことは戦争を否定し、徹底した平和主義を選択してきた日本の路線の正しさを証明している。しかし、ナショナリストにとってはそうではない。
米ソ対立の解消を契機に、日本も国際政治の舞台で軍事的役割を果たそうとする。河野自民党総裁に言わせれば、そうした小沢流政治は「ミニ超大国」「ミニアメリカ」「ミニ世界の警察官」という国家主義への道である。戦前回帰なのだ。
しかし、そのためには憲法第九条がどうしても厚い壁として小沢の眼前に立ちはだかっている。これを突き崩す作業が小選挙区制の導入なのだが、こうした真実を彼は絶対口にしない。
「ぬるま湯構造を打破するためには、中選挙区制を廃止しなければならない」という一点を主張することで、いかにも正当性が存在するかのようにふるまっている。
小選挙区制の利点について小沢は著書の中でいくつか挙げている。
「どんなに得票が拮抗しても一票でも多い方が議席を獲得し、少ないほうは議席を得られない。これほど明瞭な多数決原理の考え方を反映している選挙制度はないであろう」
小沢にとって多数決原理がベストなのだ。少数意見はハナから完全に無視している。
「選挙戦は、それぞれの政党の代表者の間で争われ、各党が政策を競うことになる。選挙戦のあり方としては理想的である」
果たして政策論争になるだろうか。各党本部がそれぞれ公約を掲げるため、国民は事前に各党の公約を知っており、したがって小選挙区ごとに各党候補が党本部の公約をオウムのように繰り返すのか大分怪しい。たとえば、小沢の新生党が消費税を一〇%に引上げると公約した場合、国民はそのことで同党を採点することが出来る。わざわざ小選挙区での新生党候補者による消費税一〇%論を聞くまでもないのである。選挙通も政策論争に対しては疑問視している。
小沢はまた小選挙区比例代表併用制を否定し、並立制を主張するが、それは「二大政党制が確立しやすくなる」と期待しているからだ。彼のいう二大政党制とは、非改憲勢力を政党外に放り出してしまうことを前操にしている。
さらに小沢は小選挙区制によって政権交代が起きやすくなることを挙げている。そうすることで「日本の政治が抱えているほとんどの問題が解決できそうだ」と自賛している。
これらも首をかしげたくなる理屈である。イギリスでは保守政権が十八年も続いている。政権交代どころか、保守、永久政権が定着した格好である。もちろん、二大政党で律することも出来ないでいる。自由民主党が第三党として躍進している。
米国でも共和党、民主党に対して、第三の政治勢力が台頭している。九二年の米大統領選でみせたペロー現象がそれだ。ドイツはいうまでもなく小沢の嫌う比例代表制であるため、八二年以来、保守・中道の連立政権が続いてる。
小沢は小選挙区制を導入すると、「日本政治の課題が全て解消する」としている。
それでは一つ聞きたい。政財官のゆ着体質、構造は断ち切れることが出来るのか。小沢の新生党が政府の利権大臣を全て分捕ってしまっていることを考慮に入れると、政財官ゆ着構造のさらなる深化を心配したくなる。行政改革こそいまもっとも大事なことだ。北海道開発庁や沖縄開発庁は不要だとされているが、これをどうするのか。米国クリントン政権は二十五万人の公務員の削減を打ち出したが、日本もまたそれ以上の行革が求められているところである。小選挙区制導入によって決着をつけてくれるのか。
どうもそうではない。小沢の最大の眼目は「日本改造計画」で触れているようにミニ超大国化である。軍事国家路線である。
世界の紛争地に自衛隊を大々的に派遣しようというものではないか。国連旗のもとでの日本の軍事的役割の増大に対して中国はもとよりワシントンでも警戒する向きが少なくない。
「日本は歴史の教訓を生かすべきだ」とする世界の声を、小沢の「日本改造計画」は無視している。小選挙区制導入の先には、本当に明るい未来が約束されているのか、どうやら大分疑わしい。
出典:
「小選挙区制は腐敗を生む」
著者:本澤二郎
エール出版社
1993年11月25日 第一刷発行
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