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http://www.news.janjan.jp/living/0708/0708150831/1.php
深刻な「ネットカフェ難民」の実態
2007/08/21
インターネットカフェや漫画喫茶に寝泊まりする「ネットカフェ難民」の実態を知ろうと、この春、全国規模の実態調査が実施された。東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏を中心に、宮城、愛知、奈良、大阪、兵庫、福岡の10都府県19地域の34店舗が調査の対象になった。実施したのは首都圏青年ユニオンやそのほか各地の労働団体やNPO。2人一組になって2時間近くネットカフェの入り口に立ち、利用する人に声をかけて、週の宿泊日数や生活ぶりなどを尋ねた。
すべての地域で合計84人が質問に答えた。うち37人がアンケートにも記入してくれた。内訳は、男性が圧倒的に多い。年齢別では20代の若者が中心だったが、49歳の男性もいた。
過酷な事例では、アパート代が払えずに2年間ネットカフェ暮らしをつづける、都内の24歳の男性がいた。この男性は、専門学校を出てテレビ局のアシスタントになって一日中働いたものの、時給にしたら400円ほど。心身ともに疲れて転職したものの、収入が大幅に減りアパートを出ざるを得なくなった。今もアルバイトをしているが、仕事が不安定でいつ収入がなくなるかわからず、アパートを借りられないという。
また、奈良市の20代の男性は、手取りが月8万で、前日から食事をとらずネットカフェ内のドリンクやスープで空腹を凌いでいた。
さらに今回の調査で、家庭での居場所がなくネットカフェを利用している人が多いこともわかった。蒲田の27歳の男性は、この半年間ほとんど毎日ネットカフェに泊まっていた。実家は近くにあって親から自立しろと言われるものの、派遣社員のためアパートを借りるお金がなく、家にいづらくなってネットカフェを利用していた。
都内の30代の女性は、3年前に夫の暴力から逃げ出して以来、月収9万円程度のパートなどで働きながら、寝泊まりしていた。
非人間的な働き方も調査から見えてきた。名古屋市内でアンケートに答えてくれた20代の男性は、急に言い渡された出張の宿泊にネットカフェを使っていた。ネットカフェの従業員への調査からは、兵庫を除く9都府県に「常連さん」(長期滞在利用者)がいることも判明した。
この実態調査で何がわったのか。首都圏青年ユニオン書記長の河添誠さん(42)は、「青年の貧困が予想以上に深刻になっていることが明らかになった」「家庭に居場所のない人は以前からいたはず。そうした人たちの受け皿として、ネットカフェのビジネス化が進んでいるのだと思います。カラオケボックスや24時間営業のファーストフード店が急速に増えているのも、そうした背景があるのでしょうか」と話す。
劣悪な労働条件のもとで、貧困と雇用の破壊は、もはや個人の努力では解決できないところまで来ている。厚生労働省はネットカフェ難民の実態調査を行う方針を決めているが、いま求められているのは具体的な政策でありサポートだ。
私の考えは、まず、最後のセーフティーネットである生活保護行政の充実。若い人も含め、生活保護をより受けやすくすることが必要だ。住まいの提供も重要。安く借りられる住まいを一次的に提供、あるいは一時的にお金を低金利で貸し付ける制度を設ける。さらに、最低賃金のアップも欠かせない。世界でも最低クラスの最低賃金を、時給1000円に引き上げることだ。
その上で、若者が自らの力で、今の雇用と貧困の問題を変えていく大きな社会運動に発展させていくことが求められるだろう。この問題で一番怖いのは、社会の無関心。「ネットカフェ難民が当たり前」という事態に陥る前に、今こそ社会全体が意識して取り組む時だと思う。
(野村昌二)
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