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チェ・ゲバラの8.6ヒロシマ【残 照】
2006.08.05 Saturday
明日は8月6日、広島原爆の日ですね。
先月末フィデル・カストロが倒れたことは第3世界への関心を持つ人に留まらず報道に接した人も多いはず(その後実弟のラウル・カストロ国家評議会第一副議長に一時的に権限を委ねている)。
政府軍バティスタとの激しいゲリラ戦の口火となった「グランマ」号によるキューバ上陸からこの12月で50周年になりますが、このオンボロヨットにカストロとともに同乗して闘った勇士の一人がエルネスト・チェ・ゲバラであったことはあまりにも有名な話。
このチェ・ゲバラがハバナ制圧、政権奪取(1959年1月、当時ゲバラは31歳)直後に広島に訪れて一枚の写真を撮っていたことはあまり知られていません(ボクも「薔薇、または陽だまりの猫」で知った)。広島の地域情報誌(いわゆるタウン誌)『がんぼ』の最新号がこのゲバラ広島訪問を特集していると言うのでさっそく掲載誌を取り寄せ記事を読んでみました。
フィデル・カストロが2003年の来日の際に貴重な時間を割いて広島を訪問し平和記念公園で献花した報道には接していましたが、実はこの訪問も、本件チェ・ゲバラによる44年前の広島訪問の際に撮影された写真が「招き寄せた」ものであったと語っていたことにいささかの感慨を憶えるものです。
『がんぼ』は季刊の地域情報誌のようです。
このVol.12(7月下旬発刊)に巻頭特別企画《世界初公開 ! チェ・ ゲバラが撮った一枚のヒロシマ》というタイトルでチェ・ゲバラの親善大使としての来日の際の広島訪問を多面的に取り上げられている注目記事。
その写真とは画像にあるように『がんぼ』の表紙を飾ったものですが、原爆ドームを背景とした原爆死没者慰霊碑をほぼ正面から捉えたショットです(世界初公開だという。─ 雑誌の表紙などは著作権保護の対象外という慣行を援用させていただきます)。
10ページにわたる特別企画ですので、チェ・ゲバラの精力的に視察する興味深い写真の数々、多くのエピソード、資料、関係者の証言、太田昌国さん(現代企画室 編集者)などからのコメント記事、およびフィデロ・カストロ広島訪問の紹介など盛りだくさんの内容で構成されています。
詳細は読んでいただくこととして、ここでは2つのエピソードを紹介するに留めます。
・広島行きは当初の予定にはなく、無名戦士の墓を詣でる予定であったところを
「行かない、数百万のアジア人を殺した帝国主義の軍隊じゃないか。絶対に行かない。行きたいのは広島だ。アメリカ人が10万人の日本人を殺した場所だ」と言った。
・原爆資料館を案内した日本人に
「米国にこんなにまでされてなお、君たちは米国の言いなりになるのか」と問うた。
ゲバラはこの来日後、カストロに「別れの手紙」を渡しアフリカ・コンゴ、そしてボリビアの民族解放闘争に身を投じ8年後に捕らえられ銃殺される。享年39歳。
取り上げたゲバラの日本人へのメッセージははるかに47年も昔のことなれど、日米関係が歴史上類例を見ない同盟関係として蜜月を強めている中、今もって、いえこのような現状であればこそ有効な日本人への訴えかけではないだろうか。
8.6広島が持つ世界史的、普遍的意味とは…、とかく被害者意識一色に彩られることの多い日本での光景ですが、ゲバラの語る「ヒロシマ」は世界へと拓かれた今でも生きた強くリアルな言葉に思えてなりません。
http://mature.artisan.boy.jp/?eid=353692
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