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安倍首相が突然辞任したのが9月12日(火)午後であった。そして14日(金)午後には福田康夫が次の自民党総裁に選出されることがほぼ確実になった。わずか3日間の一連の“騒動”を見せつけられて、国民はいったい何をどう思ったのだろうか。麻生氏が出馬会見で「幕が開く前に芝居が終ってしまった」ような総裁選をやったとしたら、自民党は国民の信を失うと述べていた。最後まで見どころのある総裁選をやるために頑張るといっていたが、安倍首相に続投をけしかけた政治的罪がどれだけ重いことだったということに彼はまだ気が付いていないようだ。
今回福田氏に対して雪崩をうったように支持が拡大していったのは、少なくとも“麻生ではダメだ”という認識が強かったためであろう。福田氏がそんなに素晴らしい政治家だという証明にはならない。私は昨日の永田町徒然草で「誰を選出するかも大事だが、その選出の仕方も注意してみていたほうがいい」と指摘しておいた。福田氏で決まりのようだが、その選出の方法はあまりにも稚拙である。もともとそんなに適任であるかどうか分からない福田氏をこんな稚拙な方法で選出するとは、自民党もよくよく智恵のない政党である。現在の自民党には、政局が描ける政治家はもういないのであろう。
いつもテレビに出て、生意気なことをもっともらしくいっている自民党の国会議員は、いったい何を考えているのかといいたい。いつもいっているように彼らは、コメンテーターにすぎないのである。政治家にとって必要なことは、現実を変えることであって現実を解説することではない。私も若い時には、かなりテレビに出た方だが、テレビに出て発言することは即戦いでもあった。当時自民党を牛耳っていた経世会と戦うことは、自らの政治的地位を賭けなければ気軽にはできなかった。しかし、そういう戦う姿をみて見ず知らずの方々がいろいろな形で支援してくれた。
政治の世界では何が起きるか分からない。まあ、あれだけいろんな番組に出て一人前のことをいっているのだから、何かが起こってもおかしくない。自民党のためというよりも、少しは見る気のする芝居をしてもらわなければ時間と電波の無駄になる。明日ひょっとすると“本目”が突如として立候補するかもしれない。多分そのようなことはないと思うが、いずれにしても立候補者が確定した段階で、総裁選についていろいろな観点から論じてみたい思う。
それでは、また明日。
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