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自民税調の憂うつ
政治部・四方弘志(9月10日)
税制改正の主導権を握ってきた自民党税制調査会が苦悩している。抜本改革の議論を前に、参院選惨敗によって参院で与野党が逆転し、焦点となる消費税率の引き上げの早期実現が困難となり、今後の改正論議の方向性がつかみきれない。人材面でも手詰まり感が否めず、存在感が一層低下する可能性もありそうだ。
自民党は7日、政務調査会の調査会長人事のリストを発表した。「外交・山崎拓」「道路・山本有二」など閣僚経験のある有力議員の名がずらりと並んだが、「税制」の欄は空白。人選が手間取っているのは明らかで、政調幹部の一人は「税調は官邸を含めて上のレベルで調整しないといけない」と言葉を濁す。
来年度税制改正の最大の焦点が消費税率上げの扱いであることは論をまたない。小泉政権時代は封印し続け、安倍晋三首相も「今秋から本格論議」と先延ばししてきた。一方で09年度までに基礎年金の国庫負担割合を引き上げる財源として有力視されており、引き上げ決定に残された時間は少ない。自民税調では12月中旬に決める08年度の与党税制改正大綱に上げ幅や実施時期を盛り込むことも念頭に置いて議論を進める見通しだった。
ところが参院の与野党逆転で税率据え置きを主張する民主党の発言力が増し、税率上げを盛り込んだ法案を来年の通常国会に提出しても賛成が得られる可能性は低くなった。強引に成立させようとすれば国会の混乱を招き、次期衆院選への影響は計り知れない。
そんな中、政府・自民党内の税制改正路線は三つに分類されつつある。まず、野党に税制の論議を呼び掛けて消費税率上げや所得税、法人税などの抜本改革の道筋をつける努力をする「与野党協議派」で、現会長の津島雄二氏らが主張する。
さらに同派よりも具体的な増税論議に踏み込むべきだとする与謝野馨官房長官ら「財政再建派」、この際、消費税率上げを再び封印して経済成長を優先すべきだという「成長派」だ。税調会長の路線が色濃く反映するだけに、人選はなかなか定まらないようだ。
もっとも、税調の人材難も深刻。税調の議論をリードする「インナー」と呼ばれる非公式幹部会合のメンバー級の議員がめっきり減っている。昨年のメンバーは津島、与謝野、町村信孝、片山虎之助の4氏。与謝野、町村両氏は入閣し、片山氏は参院選で落選。党に残っている経験者は津島氏と柳沢伯夫氏だけだ。かつては税のプロとして若手を育成しながら「税の配分」という権益を守ってきた自民税調。今やその面影はなく、内外に大きな不安を抱えながら、今秋からの議論に突入する。
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