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http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/maki200604/news/20070821dde012070038000c.html
<牧太郎の大きな声では言えないが…>
坂の頂上に至ると新しい風景が見える。それが見たいから人は坂を上る。
でも“出世の坂道”は幾分違う。名誉、高給、退職金、専用車……新しい風景は初めから約束されている。
省庁職員約1万5000人の5%が坂道を超特急で駆け上がるキャリア官僚である。27歳ごろに係長、33歳ごろに課長補佐。42歳ごろに課長。複数の課長ポストを次々にこなし、50歳前後で審議官、局長。そして最後は事務次官。新しい次官が誕生すると、その期のライバルは早期退職。熾烈(しれつ)な競争は終わる。
競争に勝つためにがむしゃらに働く。定時に帰宅することは許されない。翌日の国会質問の内容が分かるまで全員待機。家庭が犠牲になる。政治家に頼まれ質問を作ることもある。ガラの悪い政治家は「便宜を図れ!」と無理難題。ストレスがたまる坂道だ。
でも次官在職期間はせいぜい2年。後は外郭団体、独立行政法人に天下り。待遇は破格だ。恵まれた生活が保証される。だから我慢したんだ!が本音だろう。
ところが、その「最後のうまみ」が危うくなった。「押し付け的天下り禁止」を盛り込んだ公務員制度改革関連法案が事務次官会議に掛けずに閣議決定された。質問を作ってもらった政治家たちが反官僚に回る。彼らから情報をもらって商売する新聞、テレビの記者はそろって「天下り反対!」である。(断っておくがテレビ、新聞の幹部は堂々と関連会社に天下っている)
防衛省をはじめとする、最近の省庁人事トラブルには官僚イジメのにおいがプンプンする。旧科技庁出身者として初めて文部科学省事務次官になった結城章夫さんは退職後、故郷の山形大学学長選に立候補した。学長候補適任者投票では対立候補者が378票。結城さんは355票。選挙では敗れたが、7月26日の学長選考会議で学長に選ばれた。これも新しい再就職チャレンジ?
でも、一部に「国の運営費交付金で成り立つ一国立大学法人に監督官庁のトップが(選挙という形ではあるが)天下るのは反対」という意見もある。
頂上が見えなくなった高級官僚の坂道。03年に東大を卒業して公務員になった若者は196人。年々減り続け06年には162人。逆にファンドなど金融・保険畑に233人が進んだ。
良いか悪いか、分からないが、官僚は「割の悪い商売」になってしまった。(専門編集委員)
毎日新聞 2007年8月21日 東京夕刊
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