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残照
わずかに暮れのこる
夢の径を
進むでなく 退くでなく
あてなく歩む者の 後ろ影よりも
なにものかを甚く表しえた 思想を
ついぞ知らない。
満目 焼け野原のような
この薄暮の終わりには なべて
来しかた不詳。行くかた不明。
来しかた不詳。行くかた朧。
地平の果たてに 鮭色の長い筋が這い
先細る。細る。
曠野はまだ幽かに燻っている。
残夢がいまなお問うているのだ。
誤りかもしれぬと承知で
なお深く くみしえたか。
その問いに幾たび
蒼ざめたか。
骨まで蒼ざめたか。
つまり
誤りのために
すべてを賭す気があったか。
言ったかぎりのことを
一身に負う気組みがあったのか。
その問いに幾たび
蒼ざめたか。
骨まで蒼ざめたか。
後ろ影が遠ざかる。
はるかに遠ざかる。
闇に空足をふむ。
(続)
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