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れんだいこのカンテラ時評321【2007・8・9不破講話考】
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投稿者 こげぱん 日時 2007 年 8 月 18 日 00:41:20: okIfuH5uFf.Lk
 

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Re:れんだいこのカンテラ時評321 れんだいこ 2007/08/14 14:02

【2007・8・9不破講話考】

 2007・8・12日、赤旗は、2007・8・9日に東京・渋谷C.C.Lemonホールで行われた不破哲三前議長による日本共産党創立85周年記念講演会「日本共産党史85年と党発展の現段階」の講演大要を掲載している。れんだいこは、この党との付き合いはほどほどにしたいのだが、見逃せない詭弁が随所に見られるのでコメントしておく。

 最初に見ておくべきは、宮顕亡き後不破が法王化し、引退後の今もなおこうした主要講演の第一人者として君臨していることを確認しておく。裏を返せば、委員長・志位はせいぜい丁稚に過ぎないということである。どうでも良いことのようでも有るが、やはり触れておきたい。

 不破は冒頭で長々と党史を振り返るが、党史上避けて通れない党中央の変遷史に触れることは無い。それぞれの時期の党中央が何をして、今現在どう評されるべきかの内在的な考察は一切避けている。(それには相応の理由があるのだが) そういう訳で周辺ばかり語り、長饒舌する割には一向にピントが定まらない。姑息ないつもの不破パターンである。

 不破は、これだけは避けて通れない宮顕に言及する。が、例によって宮顕のスパイ・挑発者摘発闘争を是認し、あの時期にもっとも不要にして危険な指導をしたことにより、党的な党運動としては最終的に解体せしめたことなぞおくびにも出さない。現在的検証によって野坂ー宮顕ラインこそスパイ系列の疑いが濃いことなど触れるべくも無い。

 その上で何と次のように述べている。「一九三三年に逮捕された宮本さんも、この陰謀の最大の標的になりました。三日前の党葬の席での弔辞でも述べましたが、宮本さんの法廷闘争は、侵略戦争と専制政治に反対する平和と民主主義の旗を守りぬくと同時に、この陰謀をくつがえして党の政治的名誉と道義的権威を守る闘争でもありました」。

 多くの者が不破のこういう口上に騙されているが、事実は奇怪千万である。宮顕は漠然と逮捕されたのではない。直前の党中央委員小畑査問致死と死体床下遺棄の責任者であり、党内からの事情説明要求が高まりだした頃に不自然に逮捕されている。真相は、当局に身柄を預けたというべきかも知れない。

 その法廷闘争も奇異であり、リンチ事件の解明の段になるや病気になり、結果的に意図的に合同公判を避け、単独公判にした上で縷々正義の弁明をしているという官民合作のものでしかない。宮本百合子からの差し入れや、獄中での豪奢な生活や、獄中面会時の杉本良吉への樺太越え指示等々奇妙な党活動をしている形跡さえある。

 不破は、こういう史実を知りながら宮顕の完全黙秘唯一聖像を語っている訳で、その意図はなへんにありやと推測されねばならない。目下このように問うのはごく少数の者に限られている。しかし、ここを突破しなければ真相が見えてこない。

 次に、不破は、昨今のきわめて不利な党勢後退を糊塗するために何と、アメリカの雑誌タイムの日本共産党観を披瀝し、「共産主義は日本で活気にあふれ健在」との表題を利用して党員をたぶらかそうとしている。実に嫌らしい説法である。続いて、自主独立路線を自画自賛している。いずれも、ご都合主義的な史実歪曲に基づくものであるが、毎回聞かされていると党員も納得するようになるのだろう。

 しかしいけない。度の過ぎた歪曲はれんだいこにただされることになる。「五〇年問題」で宮顕が逸早くスターリン同志の指摘はごもっともであり、その忠言に従うべきとして党中央に叛旗を掲げた史実の説明が出来ない。だからいつも抽象的にどうでも取れる言い方で取り繕う。不破はなぜ堂々と釈明しないのか。それはそれとして許し難いのは、時の党中央を「徳田・野坂分派」と云いなしていることである。

 日共の御用党史ではなく真実の党史を学べば、時の徳球系党中央は、スターリン論評に対応し、概要「日本革命については我々が当事者であり責任を負っている。理不尽ないいがかりは止してほしい」との自主独立的な所感を発表している。日本共産党運動の自主独立路線の嚆矢である。この時、スターリン同志に従うのが国際共産主義運動の責務として批判したのが宮顕ー志賀ラインであった。これにより所感派、国際派の対立が生まれる。不破はこの史実に触れない。触れたのを聞いたことが無い。つまり、知っていながら意図的に歪曲しすり替えする名人芸で党員をたぶらかし続けている。

 その上で次のように云う。「この干渉は、戦後多くの党員の活動によって営々と築かれてきた国民との結びつきを断ち切り、取り返しのつかない深刻な打撃を党に与えました。実際、干渉の前の年、一九四九年一月の総選挙で党は二百九十八万の得票を得、三十五人の議員の当選をかちとりましたが、干渉作戦が始まったあとの五二年の総選挙では、得票は八十九万票に減り、当選者はゼロという最悪の結果に落ち込みました」。

 しかし、これも逆の推測を可能にする。1949時の総選挙で未だに破られない35名の議員当選を勝ち取ったのは徳球ー伊藤律系党中央の時期であり、当時において旺盛な議会闘争があったことを証していることになる。当時、徳球ー伊藤律系党中央は実に大衆運動と労農運動と議会運動を有機的に組み合わせ、社共合同による政権奪取を展望していた。これを成功裏に推し進めていた。権力側がこれを畏怖し、反動攻勢を仕掛けたのがその直後からであった。宮顕派による50年の党中央分裂策動は、権力側のこの意思に即応したものだと考えられる。これが「五〇年問題」である。

 自主独立路線も、議会闘争も、綱領的発展も本来、徳球ー伊藤律系党中央下に於いて党内の自由論議が保障された中で成功裏に勝ち取られつつあったものである。れんだいこの目から見れば、宮顕ー不破系党中央は、それを奇形化させ、有害無益な方向に転換させたものでしかない。徳球ー伊藤律系党中央の正統な嫡出子系党中央であれば、国際共産主義運動の団結を尊びながら自主独立を打ち出すだろうし、議会闘争も「確かな野党論」など唱えずに社共共闘による政権奪取に向かうだろうし、綱領も有益な方向に改定しているだろう。つまり、当時の遺産を台無しにする方向で、宮顕ー不破系党中央が逆指導していることを確認せねばならない。

 不破は次のように述べている。「『五〇年問題』でも、ソ連などの干渉者たちの指揮のもとに、誤った道に踏み込んだのは、党中央の一部の幹部──徳田・野坂分派に属するごく少数の人たちだけでした。多くの党員は、それらの事実は知らされないまま、反動派の弾圧に屈せず、懸命の努力で党を支えました。こういう下からの努力があったからこそ、言語に絶する困難の中でも、党はつぶれないでこの時期を乗り越えることができました。そしてその後の時期の「五〇年問題」の総括でも、全党討議で積極的な方向を支えたのであります」。

 これは、徳球系党中央に戦いを挑み、勝利的に党中央を簒奪した宮顕系党中央の勝てば官軍論理である。史実は、伊藤律の北京幽閉などとても汚い手を使って、既に権力に篭絡されていた志田派を上手に利用して党中央に登壇し、以降徳球時代に発生した諸分派を自己目的的に切り捨て宮顕独裁を敷いていった。そして今日あるごとくな日共を形成し、人民大衆からそっぽを向かれている。当然の結末である。だがしかし、宮顕ー不破系党中央は居直り続けている。つまり、日共の反革命的換骨奪胎こそめざすところのものであったことを物語っている。

 その不破は次のようにも云う。「日本共産党はソ連崩壊を覇権主義の巨悪の崩壊として歓迎しました」。しかし、不破が手放しでこのように云うことは本来許されない。党創立以来、ソ連を導きの星として礼賛し続けてきた党史に対する自己批判抜きに為しえるとしたら無責任のきわみであり背任というべきだろう。もう一つの推測としては、不破の本音を単に吐露しているのかも知れない。

 不破はさらに愚説を次から次へと饒舌している。イタリア共産党、フランス共産党の事例を挙げ、手前の党のお粗末には頬被りしたまま批判している。そして、又もタイム誌の評価を引き合いに出して日共の活躍ぶりを自画自賛している。当然、この間の党勢のジリ貧、後退についての自慢の「科学的社会主義」的分析は開陳しない。

 続いて、最近の二大政党論に言及し、自民党も民主党同じ保守論で片付け、唯一わが党こそが「日本の政治のいまのゆきづまりの打開の道をはっきり示している」と云う。この後長々と党創立記念講話には相応しからぬ内容を饒舌しお茶を濁している。党勢の陰りについてこっそりと、「同時に一つひとつのたたかいの前進・後退に一喜一憂せず」と弁明している。つまり、党中央の方針は正しい論を懲りずに繰り返している。

 実にくだらない党創立記念講話であった。これで納得する党員が居るから持っているだけで、れんだいこは遠の昔にエエカゲン二センカイと怒鳴り返している。それにしても、こういう講話が許容されること自体政治の貧困を絵に描いている。

 2007.8・14日 れんだいこ拝
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れんだいこ 人生学院
http://www.marino.ne.jp/~rendaico/

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