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2007年08月17日
守屋問題よりも佐藤問題に目を向けろ
メディアは連日守屋防衛事務次官の人事問題ばかりを騒ぎ立てている。夏枯れのマスコミにとっては格好のネタに違いない。役者がそろっている。女性宰相の声まで上がる小池防衛大臣のキャラクターがある。役人やマスコミには不人気でも安倍内閣の顔としてがんばっている塩崎官房長が待ったをかけた。何よりも安倍首相の管理能力のなさという格好の安倍たたきがある。
しかし待って欲しい。たかが役人の人事だ。守屋次官がなんぼの者か知らないが、4年間も次官をさせてもらって文句をいうなど、あつかましい限りだ。人事がすべての官僚の、見苦しい居直りと、それを一蹴できない政治家の情けなさ、それだけである。国民にとってはどうでもいい話だ。
ところが防衛省に関するもう一人の人物の話は見逃す事が出来ない。それは元佐藤サマワ派遣隊長の「駆けつけ警護」発言の事である。この問題はこれまで一切メディアでは報じられなかった。しかしインターネットの世界では連日大きく取り上げられていた。元陸上自衛隊のサマワ先遣隊長であった佐藤正久参議院議員が、10日に放映されたTBSのニュース番組で、「他国の軍隊が攻撃を受けた時には駆けつけて援護するつもりだった。(これは日本の法律違反であっても)喜んで裁かれてやろうと・・・」と発言していたのだ。
この発言は極めて深刻かつ悪質である。シビリアンコントロールに服すべき自衛官の、しかもサマワ先遣隊長が、違法、違憲を承知の上で集団的自衛権のアリバイ作りをしていた事が、本人の口から明らかにされたのだ。しかもその自衛官がいまや防衛族の国会議員となって堂々とその違憲性を公言しているのである。
インターネットでは早くからこの問題の重大性が指摘され佐藤正久の国会議員辞任要求が駆け巡っていた。そしてその動きはついに弁護士らによる公開質問状の送付に発展し、安倍首相に辞職勧告の要望書を提出するに至った。さすがに騒ぎがここに至ってはメディアも取り上げざるを得なくなった。17日のテレビ朝日がとりあげ、17日の毎日新聞が記事にした。
私は12日のブログで裏メディア(インターネット)が表メディア(テレビや新聞)を動かすようになれば世の中は一変すると書いた。果たしてこの問題はそのさきがけとなるのであろうか。それとも政治的圧力によりメディアはこの問題を、この期に及んでも無視し続けていくのか。
佐藤発言問題がどう進展していくかは国民の動き次第だ。この問題はこの国の安全保障問題、9条改憲問題に直結する問題である。かつて1965年に自衛隊統合幕僚会議が朝鮮半島有事の際の作戦研究を行っていた事が明らかになってこれがシビリアンコントロールを逸脱するとして防衛次官が処分された(三矢研究事件)。1978年には来栖統幕議長(当時)が週刊誌上で「奇襲を受けた場合は超法規的行動をとらざるを得ない」と発言して更迭された。今回の佐藤発言は、改憲の動きが現実のものとして浮上し、自衛隊の海外派遣が本来業務となった今の政治状況を考えると、それらに比べてもはるかに重大である。国民が騒ぎ出せば政府もメディアも動かざるを得なくなるだろう。
それにしても佐藤発言に対する日本共産党や社民党の対応がまったく見られないのはどういうことか。護憲を叫ぶこれら政党や国会議員は、平和を願う一般市民の動きにくらべてあまりにも遅く、鈍い。
これも国民の反応次第だ。平和が危ないと直感する国民が「護憲政党、何をやっている」と騒ぎ立てれば、彼らも動き出さざるを得ないだろう。やはり主役は国民だ。国民がメディアを動かし、そして政治家を走らせる。これこそ本来のあるべき姿である。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/08/17/#000492
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