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自白調書出さぬ選択も 最高検試案『疑問出ればダメージ』裁判員制度対策
【東京新聞】2007年8月16日 朝刊
市民が刑事裁判の審理に加わる裁判員制度に備え、最高検は、捜査・公判対策の「試案新版」を作り、「任意性、信用性に問題がある自白調書は、疑問を抱かれたときのダメージが極めて大きく、証拠提出しないという選択もあり得る」との方針を打ち出した。
自白調書は、任意性などを否定されて無罪判決につながるケースもあるが、これまでは「ほかに取って代わる明確な証拠があれば別だが、よほど信用性に問題がある場合を除けば自白調書を証拠請求してきた」(検察幹部)とされてきた。提出自体の回避は従来方針の転換となる可能性もあり、捜査や公判の実務に影響を与えそうだ。
最高検は昨年三月に旧版の試案を公表。その後の法曹界の議論や模擬裁判などを踏まえて大幅改訂し、より実践的な指針として新版を作成した。
新版は、有罪への疑問を抱かせかねない立証を控える一方、犯行の悪質さを訴えるため被害者を効果的に尋問することなど、裁判員に与える印象を重視した点が特徴。
証拠について「従来はできるだけ多く提出した方が得策で、裁判官なら、いずれかの証拠で検察側主張を理解してくれるとの発想があった」とした上で「経験がない裁判員の理解力などを考えれば逆効果。誤った判断に導く恐れが高く、証拠を厳選する大胆な発想の転換が必要」と指摘した。
特に、自白や被害者の供述は反対尋問で矛盾を突かれる可能性も高く、全体に及ぼす悪影響から「ほかの証拠で立証が十分可能と考えられれば、自白調書の証拠請求を控えるとの選択もあり得る」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007081602041405.html
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