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安倍官邸団消滅危機…鳴り物「補佐官」が足引っ張った [ZAKZAK]
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投稿者 white 日時 2007 年 8 月 15 日 20:42:13: QYBiAyr6jr5Ac
 

□安倍官邸団消滅危機…鳴り物「補佐官」が足引っ張った [ZAKZAK]

 http://www.zakzak.co.jp/top/2007_08/t2007081519.html

安倍官邸団消滅危機…鳴り物「補佐官」が足引っ張った
お友達重用の象徴、改造を機に…

 安倍晋三首相が27日に断行する内閣改造は、“身内”重視の「お友達内閣」から脱却し、どんな安倍カラーを打ち出していくかが最大の焦点だ。「お友達」重用の最たるものは、当初5人(現在4人)を配置した首相補佐官の存在で、昨年9月に安倍政権が発足した際は官邸強化の“目玉”だった。だが、「仲良しクラブ」中心の官邸団は世論から乖離(かいり)するばかり。今や消滅の危機を迎えている。

 「補佐官は党を押さえられる人物でないと意味がない。しかし党を押さえられる者なら、大臣にすればよく、補佐官は必要ない。補佐官を置いて『安倍政権は強靭な布陣だ』というメッセージが国民に浸透し、参院選に勝っていればいいが、大敗した。米ホワイトハウスのマネをすればいいというものではない。存在意義は消え失せた」

 自民党中枢幹部は批判する。

 首相補佐官制度は1996年成立の改正内閣法により導入されたもので、安倍首相は「官邸主導体制の確立」を掲げ、定員枠いっぱいの5人を分野別に起用。国家安全保障、経済財政、教育再生、広報、拉致問題に取り組む「チーム安倍」を鳴り物入りで結成した。

 だが、「チーム安倍」は当初から、もろさを露呈した。防衛事務次官人事をめぐり、塩崎恭久官房長官と大ゲンカ真っ最中の小池百合子防衛相が国家安全保障担当補佐官だったときも、塩崎氏と主導権争いを演じ、官邸の足並みは乱れた。

 残る4人のうち最も評判が悪いのが、首相の信頼が厚い広報担当の世耕弘成参院議員。NTT勤務時代、広報担当だった経歴があり、「広報のプロ」を自任する。

 だが、「首相の地方視察などのパフォーマンスも票に結びつくことはなかった」(党関係者)。6月中旬、首相が佐賀で行った農業視察にも党内からは批判が出ていた。

 首相は田植機に乗って田んぼに入るパフォーマンスをしてみせたが、若手議員は「世耕氏は何を考えているのか。田植機に乗るなんて『いかにもボンボンの安倍さんらしい』となってしまう。直接、田んぼに入って田植えしないと農家の気持ちは分からない」と手厳しい。

 首相が毎日、記者団に行っているぶら下がり取材で、カメラ目線で話すのも「不自然」と不評だった。参院選惨敗後は基本的にカメラ目線をやめたが、時折カメラ目線になるため、「目が泳いでいるようだ」(若手)との指摘さえ出ている。

 世耕氏は参院選後、首相に対し「街頭では、とても『美しい国』なんて言えませんでした」と苦言を呈したというから始末に負えない。

 経済財政担当補佐官の根本匠衆院議員も、安倍首相が石原伸晃幹事長代理、塩崎恭久官房長官と作った「NAISの会」のメンバーで、やはり“お友達”だった。ある幹部は「根本氏は何やっているのかよく分からない」と首をかしげる。

 教育再生担当の山谷えり子補佐官は、歴史教育などの活動で首相から評価されていたが、政府の教育再生会議と文部科学相の諮問機関・中央教育審議会の関係がギクシャクし、両組織の役割分担があいまいだったことが露呈。「山谷氏が伊吹文明文科相に対抗心を燃やしているようにしか見えなかった」と、ある議員は振り返る。

 教育分野のもう1人の“お友達”下村博文官房副長官がしゃしゃり出たこともあり、最近の山谷氏の存在感はめっきり薄くなっている。

 存在感の薄さでは、拉致問題担当の中山恭子補佐官も負けていない。拉致問題は進展しておらず、「何のために拉致担当を置いたのか」との声も出る。中山氏の参院選出馬を促したのは安倍首相だが、党内は「政治家になれば何か変わるのか」と冷ややかだ。

 永田町では、補佐官も含めた安倍官邸を未熟さから、「少年官邸団」とも「フール・ファイブ」とも揶揄された。世耕氏や、首相の政務秘書官、井上義行氏ら5人の官邸メンバーを「内山田洋とクール・ファイブ」からもじったものだった。

 井上氏は元国鉄マンで、その後、ノンキャリア官僚(総理府=現・内閣府)に転職した異色の経歴をもつ。拉致問題に熱心に取り組む姿勢が、首相の目に留まり、首相秘書官にまで上り詰めた。小泉前首相当時の飯島勲秘書官に当たるわけだが、「永田町や霞ケ関に人脈を張り巡らし、情報を駆使する飯島氏には遠く及ばない」というのが党内の一致した見方だ。

 首相の信頼を得てはいるが、「首相にとって耳の痛い情報は上げていない。結果、首相は民意が分からなくなり参院選は負けた」(党幹部)などと、井上氏への批判は日増しに強まっている。

 「仲良しクラブ」の象徴的存在である補佐官制度について、政治学が専門の慶応大学、草野厚教授は「米国は大統領制で大統領府と政党が分断されているから補佐官を置く必要がある。補佐官の下に大量の事務方のスタッフがいる。日本は議院内閣制なので、内閣の補佐役は与党が務めることになる。官邸主導ということで補佐官制度を積極的に活用しようとしたのだろうが、補佐官は法律で明確な権限が与えられていない。首相の個人的な相談役ならいいが、権限がないのに何人も補佐官を置く必要はない」と指摘する。

 官邸機能を強化するどころか、首相の足をひっぱり続けた官邸団。27日の人事では、首相の覚悟のほどが問われている。


ZAKZAK 2007/08/15

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