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第4回 なんで世の中こんなことになっているのか?
〜私たちにできること
『―――最後には変えたい。人々が普通に暮らしていける社会に変えたい。〈貧困〉のない社会に変えたい。
・・・「この社会の流れは止められない」とあきらめてしまえば、自分に残された選択肢は「自分だけは何とか生き残ってみせる」しかない。しかしそれは、社会そのものを変えるよりも難しい選択だ。だって、100人に1人、1000人に1人しか勝ち残れない競争をやる、ということなのだから(本文より)』
これまでいくつかの観点から、普段意識されることの少ない〈貧困〉について見てきました。できるだけ間口の広いものになるようにと心がけたつもりですが、すんなり腑に落ちた人ばかりではなかったでしょう。この文章を読んでくださっているみなさんの経験や、立場によっても大きく違うでしょうが、世間で一般的に言われていることとの落差に感じる違和感はそう簡単にぬぐえるものではないでしょう。現在の社会の状況の中では、自然なことだと思います。
ですが、ここまでこの文章を読みすすめて来てくださったということは、きっと皆さんの中に「何かがおかしい」という気持ちが、同じくらいぬぐいがたいものとしてあるということでしょう。それもまた当然なことだと、私たちは思います。
著者は「貧困襲来」の最終章で「私たちにできる10のこと」と題して、日常の中で感じる「何かがおかしい」という気持ちを、少しずつ何かを変える力に変えていくステップを書いています。詳しい内容は本文にゆずるとして、ここではそのステップを簡単に、3つにまとめて書いてみたいと思います。
1つ目は「知る」ということです。社会でひどいことが行われていても、あるいは自分が実際にひどい仕打ちを受けていても、それが違法なことだと知らなかったり、他の方法があることを知らなければ、対抗のしようがありません。ニュースやテレビ番組にも、新聞や雑誌の中にもヒントはあるでしょうし、少し踏み込んで、図書館や本屋やインターネットで調べてみれば、もっと様々なことがわかります。「知る」ことができれば、少なくとも、今まで当たり前だと思っていたことを疑ってみることができます。これは小さいようで、無視できない変化です。自分や、他の誰かが置かれている状況が、変えるべき、変えられるかもしれないと思うことから、変化ははじまるからです。
2つ目は「つながってみる」ということです。自分が感じている「何かおかしい」という気持ちを、「知る」ことでより鮮明にしたり、深めたりすることができても、自分ひとりで思っている限り、具体的な行動に結びつけることも、そうした気持ちを持ち続けていくことも、なかなか難しいはずです。思っていることを口に出してみて、「そうだよね」と言ってくれる誰かが見つかれば、そのハードルはぐっと下がります。いきなり政治の話や、社会批判を始める必要はありません。日常の中で、「これじゃあやってられないよなあ」と思うことや、「いくらなんでもおかしいだろ!」と思うことを、近くの誰かに向けて、ぼやいてみればいいのです。もしかしたら、そんなこと言わずもがなだ、言ったところでなんになる、という反発に出会うかもしれません。でも、そういう反発があるということは、その人もそういう思いを抱えているからこそ生まれるものです。うまくすればあなたが「知る」ことで得た知識が、その人の助けになるかもしれません。
3つ目は「1歩踏み出してみる」ことです。それは、今まで全く興味のなかった1冊の本を買って読んでみることかもしれません。友達と自分が働いている場所の労働条件について、少し真面目に話し合ってみることかもしれません。どこかに電話をかけて、自分の困っている状況を相談してみることかもしれません。あるいはもっと極端に言えば、デモに参加したり、誰かを告発したり、気になっている団体を訪ねてみたり、そんなことかもしれません。とにかく昨日までの自分の考え方から、「1歩踏み出してみる」ことです。考えることはもちろん意味のあることですが、考えているだけでは、何かを変えることはできません。新しい行動をすることは、常に良い結果だけとは限らないにせよ、新しい結果を生み出します。
ここであげた3つは、1・2・3と順番にやらなければならない、というものではありません。「つながってみる」ことの結果として、新しいことを「知る」こともあるでしょうし、「知る」ことでわいたエネルギーが、あなたを「1歩踏み出してみる」ことに駆り立ててくれるかもしれません。どこから始めてもいいし、どこに続いてもいいのです。
私たちはこれまで、黙ってガマンすることや、無関心を決め込んで無視することで、社会と関わってきました。ですが、そのことが世の中がこんなことになってしまう一因になっているのは明らかです。声を上げ、「私たちはこう生きたい!」「こんな暮らしはいやだ!」と言い続けていかない限り、この流れは止まりません。
〈貧困〉は、好ましくない現実の1つの極みです。それを意識することは楽しいことでもないかもしれないし、それが自分にとって無関係でないとすれば、なおさら抵抗のあることでしょう。しかし、そこを無視したまま生きようとすれば、あなたにとって「自分の生きたい世の中はこうだ!」と声をあげることもまたないでしょう。それは非常に残念なことです。
あなたの声は、決して小さくて、無意味なものではありません。あなたが生きていることも、あなたが幸せになることも、同じです。だからこそあげてもらいたい声を、本書の結びの言葉に重ねて記し、この連載を終えたいと思います。
「生」の元本保証を! 生きるに値する「生」を!
(kagayakibachi)
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