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「小泉・安倍政治の弊害除去」能力こそが「政権担当能力」だ 2007/08/11
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過去、野党が参院選で勝ったり、支持率が上がったとき、常にマスコミなどに投げかけられた言葉が「政権担当能力」です。
野党に自民党と同じ路線を取るよう要求し、野党がそれをできないと、「野党は政権担当能力がない」と批判する。
さりとて、では野党(とくに民主党)が、自民党と同じ行動をマスコミの要求どおり行えば「違いがわからない」と叩く。
この繰り返しではなかったか?野党幹部からすれば「いったいどうしろというのだ!?」という思いがあるでしょう。
今回も、早速一部の新聞が、小沢さんが「テロ対策特別措置法」延長に反対したことを取り上げ、民主党に「政権担当能力がない」といわんばかりの論陣を張っています(8日の読売新聞社説など)。
考えてみると、与党が惨敗するのは、1989年参院選挙のように自民党のスキャンダルなどもある。
しかし、今回は、やはり、6年間の小泉・安倍政治の矛盾が一挙に噴出したということではないでしょうか?
格差の拡大。貧困の増大は、いまや、労働経済白書も看過できないところまできています。
参照:
・評価したい 今年の労働経済白書
妊娠したら女性は解雇、などということがまかり通り、政府の少子化対策など掛け声倒れです。
低所得者まで行かなくとも、中間層でもセーフティネット(介護や医療など)がそもそも貧弱な中で、改悪され、不安が高まり、経済にも悪影響が出ている。
一方、「改革」の名の下、一部の小泉さん、安倍さんのお気に入りの知識人や経営者らだけで、審議会などが構成され、経済政策が決められ、彼ら、彼女らが自ら利益を得る、という構造が定着しつつあります。
もちろん、介護などで私が直面したように、旧来のいわゆる「官僚政治」も硬直しています。
参照:
・私の参院選争点(5・終)行政改革・庶民のためになっているのか
が、しかし、小泉・安倍政治も官僚政治の弊害をあまり改めないまま、もっとひどい状況を生み出しました。
地方分権と称して、実際は、地方交付税をカットし、弱みに付け込んで、札びらでほっぺたをひっぱたくようなことも多かった。
参照:
・「平和宣言」が消える広島・大竹市の原爆死没者追悼式
外交でも小沢さんがいうとおり、日本は、国連にオーソライズされない「違法」なアメリカの戦争にアフガンで加担している。イラク戦争にも真っ先に支持を表明した。「そこまでしてやっても」アメリカが何をしてくれたか。
北朝鮮とアメリカは日本を差し置いて緊張緩和しつつある。小泉・安倍路線ははしごをはずされたのではないかという疑念が広がっている。
それでも、まだ、格差是正などを後まわしにして、「新憲法制定」や、「集団的自衛権」行使解禁と称して、解釈改憲に突き進もうとする安倍さん。
山谷えり子さんら仲良しのネオコン政治家や知識人と一緒に、庶民感覚から乖離した「教育再生会議」という「田楽」「闘犬」に、北条高時よろしくふける安倍さん。
山谷さんをはじめ、小池百合子さん、高市早苗さんらネオコン女性政治家=現代の御内人に「護衛」され、「仲良し政治」を進める安倍さん。
彼への違和感は、生活を重視する保守層でも高まった。広島県の農村部でも自民党比例区ポスターが見られませんでした。
参照:
・参院選広島・自民を撃ち漏らした野党・連合の正体
そんなときに、野党がマスコミの挑発に乗ったらいいことはない。民意が安倍路線を否定したのだから、それを継承したら自殺行為です。
今の状況は、北条高時=安倍総理が事実上失脚した状態です。高時と違い、「切腹」を拒んだ安倍さんすがこのままでは、党も安倍さんも「野垂れ死に」でしょう。
参照:
・「北条高時」にもなりきれなかった安倍総理
北条幕府=自民党幕府滅亡後どうすればよいか?
もちろん、北条幕府滅亡後、一時的に権力を握った後醍醐天皇の「建武の新政」のような現実から乖離した理想主義ではいけない。かつての日本社会党ならそういう危惧を抱かせたかもしれない。だが、それは今はない(むしろ、組合なども十分困っている労働者のためのラジカルな闘いができなかったほうが問題)。
参照:
・「なんちゃってリベラル」から脱却を―連合・林誠子さんへ
NHK大河ドラマ「太平記」では、鎌倉幕府滅亡後、足利高氏は以下のようなせりふをはきました。
「鎌倉陥落の話をして「これで我らの世じゃ!良い世の中になりまするぞ」と則村(赤松円心のこと:筆者注)は笑って立ち去っていった。
「のう、直義、師直……戦には勝ったが、あの子たちに食べ物をやらねばならん、家も建てねばならん。これから大仕事じゃのう」と高氏は言うのだった。 」
参照:
・第二十二回「鎌倉炎上」(徹夜城の多趣味の城、太平記)
今ならこんな感じでしょうか?「国民の皆さん……。自民党には勝ったが、あの子たちに食べ物をやらねばならん、家も建てねばならん。これから大仕事じゃのう。ご協力お願いします!」
今後とも、野党が、生活再建など「小泉安倍政治」の弊害を除去する法案を出し、国民もこれを支持すれば、政府・自民党もむげには拒否できないでしょう。
野党の皆さんは、国民の暮らしを第一に考え、「足利高氏」のような気持ちを忘れないことです。国民はうかつにマスコミの挑発にのらず、また自民党を負かしただけで満足せず、国民の利益を守るよう政治家を監視・叱咤激励していきましょう。
参照:
・年金保険料流用禁止法案を参院へ提出 福山政審会長らが会見(民主党
・郵政民営化凍結法案を3党で共同提出(民主党)
・小沢代表が米大使にテロ特措法延長への反対を表明(民主党)
・実態に沿った法律を 障害者団体からヒアリング 党作業チーム(民主党)
・「談合して足して2で割るような対応はしない」小沢代表 両院議員総会で(民主党)
(さとうしゅういち)
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