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惨敗続投:ドキュメント安倍政権半世紀、守り続けた「とりで」落城(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/07/senkyo40/msg/197.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 8 月 08 日 10:47:06: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/07saninsen/news/20070808ddm002010094000c.html

◇民主議員にどよめき

 開票作業が終わり、シンと静まりかえった参院本会議場内に、参院事務総長・川村良典の声が響きわたった。「よって江田五月君が議長に当選されました」−−。

 その瞬間、民主党議員から「オーッ」というどよめきと拍手が起きた。「議長は第1会派から」の慣例に従い、自民党議員も江田に投票。選挙敗北で辞任を表明した同党参院議員会長・青木幹雄は、何度かうなずきながら拍手を送った。

 7日午前10時16分。半世紀以上独占してきた議長ポストを、自民党はついに明け渡した。自民城「落城」の日だ。

 議長席に歩き出す前、江田は青木の方に向かって一礼した。自民党が過半数を維持していたら、その席に座るのは青木だったかもしれない。青木は硬い表情のまま、江田に一礼を返した。

 江田の議事進行に沿って、次々進む常任委員長選出。午前10時45分、江田が「これにて休憩いたします」と宣言し、本会議は1時間足らずで幕を閉じた。心なしか元気のない自民党議員たち。40人近い新顔を含む民主党議員たちは、笑顔で言葉を交わし、にぎやかに立ち去った。

 首相・安倍晋三はこの日午後0時半すぎ、国会内で自民党の両院議員総会、代議士会に顔を出した。議員総会の演説で、安倍は続投への理解を訴えた。だが代議士会で返ってきたのは、退陣を求める意見だった。

 ◇「針のむしろ」11分間

 「首相は一度身を退くべきだ」(元防衛庁長官・中谷元)、「国民は投手交代を求めた」(前文部科学相・小坂憲次)。マイクの前に立つ2人のわずか1メートル横で、安倍は、視線を下に落とした。表情は紅潮し、口は真一文字に結んだままだった。

 気まずい空気を、前副内閣相・桜田義孝が引き取って言った。「選手交代を急ぎすぎる結論は出すべきではない」。11分の代議士会。安倍には、ことのほかこたえる11分間だった。

 代議士会後、国会内大臣室にいた安倍を、江田が訪ねた。「大変な政治状況になったが、円満な国会運営をお願いしたい」と言う安倍に、江田は「みんなで一生懸命いい政治のため頑張りましょう」と応じた。穏やかな性格で知られる江田との、ささやかな「エール交換」だった。

 だが、民主党代表・小沢一郎はこの日の両院議員総会で、こう言って対決姿勢を強めた。「国民に責任を果たすということは、政府に協力し、与野党談合して2で割るという意味ではない。8月末からの臨時国会の対応を、国民はきちんと見ている。それに向けて準備をせよ」

 27日の内閣改造、31日からと見込まれる次の臨時国会。お盆休みをはさみ、自民・民主対決「秋の陣」が始まる。(敬称略)=おわり

毎日新聞 2007年8月8日 東京朝刊

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