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http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2007/185.html から転載。
参議院選挙結果について気になったこと
*民主党大勝、自公敗北。結果的にはその通りですし、私もいったんはそのことを前提にして民意の移ろいやすさに警鐘を鳴らす必要性を感じたのですが、選挙あるいは統計に無知ながらも、気になることがあって少し数字に当たったところ、興味深い(と思われる)事実を見いだしました。安易な警鐘を鳴らすことについて自戒しつつ、参考までに、以下のことを記しておきたいと思います。(8月1日記)
今回の参議院選挙における比例代表の有効投票数は5891万強でした。2005年の衆議院総選挙における有効投票数は6781万強です。その差約900万というところが要注目です。ちなみに、2005年の衆議院総選挙までの国政選挙の平均有効投票数は5740万余りという数字もあります。つまり、今回の参議院選挙は過去数回の国政選挙と比べれば、若干(150万)の増加にとどまっているということです。
大敗した自民党の得票数を見ると、2003年の衆議院総選挙が約2066万、2004年の参議院選挙が1680万弱、2005年の衆議院選挙が2588万強、今回の参議院選挙が1654万強なのです。今回の結果と2005年の衆議院総選挙の結果を比較すると、900万強の減少です。数字的に見る限り、自民党の得票数の減少は有効投票数の減少にほぼ見合っています。ただし、やはり敗北した2004年の参議院選挙のときと比べると、30万弱の減少にとどまっています。
大勝した民主党はどうかといいますと、2003年が2209万強、2004年が2114万弱、2005年が2104万弱、今回が2326万弱となっています。たしかに過去3回と比較すると得票数は増えていますが、前回及び対前々回比200万強の増にしかすぎません。「大勝」という印象が与えるほどのめざましい数字的結果とは言えないのではないでしょうか。
ちなみに公明党、共産党、社民党の数字も紹介します。それぞれの年について、公明党は873万強、862万強、899万弱、776万強です。公明党は今回約100万票を減らしたことが明らかです。共産党の場合、459万弱、436万強、492万弱、441万弱です。450万前後で推移していますが、対前回比では約50万弱です。社民党の場合は、303万弱、299万強、372万弱、263万強です。対前回比では約100万強の減少です。3党合計で対前回比約250万の減少です。
数字的に見る限りでは、自民党の敗因は、小泉旋風に踊らされた有権者が棄権したことに最大の原因があると言えないこともありません。また、民主党の大勝は、過去において他の政党に投票していた有権者の多くが今回は民主党に回ったため、とも言えないこともないのです。
もちろん、各メディアの出口調査に明らかなように、自民党支持者のかなりの部分(約30%という数字もある!)が今回は民主党に投票したことはその通りだと思いますし、その他の様々な要因を考慮しなければならないということは承知しています。そもそも比例代表に関する投票数をもって選挙結果全体を見ることも正確かどうかは分かりません。
そういうことを認めた上で、次のことは言えるのではないでしょうか。
1.日本の国政選挙の仕組みは必ずしも民意を正確に反映するものではなく、民主政治の健全な発達のためには、選挙制度のあり方を不断に検討し、改善していく必要がある。
2.真の野党、日本政治の根本的変革を目指す政党が国民の支持を引きつけるためには、「二大政党政治」論に負けないだけの足腰強化が不可欠である。
3.主権者である国民は、「二大政党政治」論の虚妄に惑わされるのではなく、日本政治の抜本的変革について根本的治療策を提起する政党を見極めるだけの眼力を養うことが痛切に求められている。
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