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□早ければ十一月に「衆院解散」の可能性=高橋 利行 [リベラルタイム]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070807-02-1201.html
2007年8月7日
早ければ十一月に「衆院解散」の可能性=高橋 利行(政治評論家)
参院選が終わり、政界の流動化が勢いを増しそうだ。
「自民党一党支配」で地盤の緩んだ永田町では、いつ何が起きてもおかしくはない。
「早期解散説」が浮上している…
ようやく参院選の死闘が終わったばかりだというのに、永田町には、にわかに、生臭い「解散風」が吹き始めた。それもかなりの強風である。バッジ族独特の「嗅覚」が、「いずれにしても衆院の解散は早い」と「早鐘」を乱打しているに違いない。
参院選は「天下騒乱」の序曲
「解散」が早まるのか、逆に遅くなるのか。すべては参院選の結果次第と見ていた永田町も、どうやら、どう転んでも「保って一年」と覚悟を決めたらしい。郵政選挙(二〇〇五年九月十一日)から、かれこれ二年になる。機は熟しつつある。恐らく、参院選は、これから始まる天下騒乱の序曲に過ぎなかったのだろう。
「解散」のタイミングを測ることは、バッジには政治生命がかかる。限られた資金、限られた体力。どこに運動のピークを持っていくか。読みを誤れば、肝心要の山場に資金が底をついたり、精も根も尽きてしまう。ただでさえ小泉純一郎という、カリスマを失った若手にとっては死活問題である。
中川秀直は、たとえ参院選で与野党が逆転するような事態になって「解散圧力」が高まっても「解散しなければいいんですよ」とタカを括っていたが、衆院を通過した法案が、まるで見せしめのように潰されでもしたら、そんな悠長なことはいっていられない。
あるシンクタンクでは「与党勝利」「野党勝利」に分けて、その後の政局の動向を綿密に予測している。自民党が公明党を合算して「過半数」をクリアするという「与党勝利」というレア・ケースでは、野党の総大将である小沢一郎は、民主党代表の座を降りるだけではすまず、次の衆院選にも出馬せず、政界引退もあり得ると予測していた。
政治は生き物だから硬直した見方は禁物ではあるが、さしもの小沢の神通力も尽きたと見れば、民主党の代替わりもやむを得ない。渡部恒三(最高顧問)が「小沢くんが辞める時は、ボクも一緒に辞めてやっから」と、「友人として殉死の覚悟」(渡部周辺)を漏らしたことがあるらしい。鳩山由紀夫(幹事長)も進退をともにするらしい。
「空き選挙区」でリベンジ
この党は、もともと「選挙互助会」の色彩が濃厚にあるから、選挙に役立たないとなると、党そのものが崩壊する可能性もある。小沢が、参院選前に、「今度の参院選で与野党逆転を果たさないと、もうチャンスはない」と悲壮な決意を語っていたのは、そういう事態を予測していたからにほかならないのである。
若手には、経験を積み、鍛え上げれば、将来伸びそうな、岡田克也や前原誠司とか枝野幸男、野田佳彦、長妻昭、渡辺周、浅尾慶一郎(参院)といった有望な素材は多いので、時間さえあれば立ち直る可能性は強い。立ち直る余裕を与えるかどうか。武田信玄の旗印である「風林火山」ではないが、小沢が「退却」すれば、この機に乗じて衆院解散・総選挙で一挙に追い討ちをかけることが考えられるのである。
自民党は衆院選に臨む体制がすでにでき上がっている。郵政選挙で大勝利を博したせいで、新たな陣容を付け加える余地が少ないのである。三百ある小選挙区のうち、自民党が立候補を予定していないのは、公明党が議席を持っている九つの選挙区に加え、北海道一、四、七、九区。福島三区。愛知二区。広島六区ぐらいである。
比例区には重複立候補があるし、宮城、福島、群馬、神奈川、山梨、岡山、熊本等では選挙区と比例区にそれぞれ現職がおり、コスタリカ方式にならざるを得ないといわれる。有り体にいえば満杯なのである。
逆に、民主党の方は、参院選に、持てる力のすべてを集中してきただけに、衆院選の準備は遅れている。参院選で「敗北」の観測が流れるたびに、自民党内に「衆参ダブル選」待望論が流れたのはそのせいである。準備不足を突けば、参院選シフトに傾き過ぎている民主党を破ることができるのではないか、「二兎」を追ってくれれば、不利といわれる参院選でも勝てるという思惑であった。
民主党の候補者は、一度躓くと、すぐ断念してしまい、執念深さは薄いといわれる。それでも、一度でもその胸にバッジをつけた経験のある元議員たちは返り咲きに執念を燃やしている。いざ解散・総選挙になると、この党にはあっという間に候補者が集まってくることは間違いない。何しろ現職が少ないのだから「空き選挙区」が多いのである。せっせと足で稼ぐ票はともかく、参院選で吹き荒れた「年金一揆」の猛烈な風を追い風に、捲土重来を期そうというリベンジ組は多いのである。
「政界再編」の見方も浮上
「野党勝利」のケースは、衆院から送り込まれてきた法案を、参院での野党過半数という「数の力」で潰し、国会を機能麻痺に追い込むことが、「小沢戦略」として描かれている。追い込んで追い詰めて「衆院解散」に持ち込もうというのである。この「小沢戦略」にも危険性がある。あまり長々と、この手法を続けると、世論も黙ってはいない。「いい加減にしろ」「野党にも責任はあるはずだ」といい出すに決まっているからである。だから「短期決戦」が求められる。早く解散・総選挙に持ち込まないと、「勝利の女神」のご機嫌を損ねかねないからである。
「与党」も、参院選で示された「民意」を打ち消すには、衆院選で「真の民意」(自民党幹部)を明らかにしなければならない。事前のシミュレーションには「負け幅が大きければ大きいほど早期解散が必要となる」とある。もっとも早ければ「今年十一月」、遅くとも「来年の予算成立後」には、それこそ雌雄を決しなければならなくなると分析しているのである。
参院選は、自民党の「一党支配」のもとで、すっかり地盤の緩んだ永田町を直撃した。いつ、何が起きても、少しもおかしくない。どちらが勝っても「政界再編」は避けられないという見方もある。そういう地殻変動を孕みながら、遠雷のような不気味な地鳴りが聞こえるのである。(文中敬称略)
リベラルタイム9月号「政界黙示録」
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