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□お見事! 小沢一郎の蓄財「三十五億円」=堤堯(ジャーナリスト) [リベラルタイム]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070807-01-1201.html
2007年8月7日
お見事! 小沢一郎の蓄財「三十五億円」=堤堯(ジャーナリスト)
錬金術師・小沢一郎にとって、参院選の勝機は新たなる商機でもある
本稿が活字になるころ、参院選は決していよう。過日、小さな集まりがあって、「偉大なる風見鶏」を自称する中曽根康弘(元首相)が予測した。
「松岡(利勝・農水相)の自殺と消えた年金で、自民党の負けでしょう」
「安倍晋三は辞める?」
「いや、辞めんでしょう。政権を問う選挙じゃないですから。もっとも負けの程度によりますけど」
「大負けとなればどうなります?」
「政界再編です」
その後、防衛相・久間章生の「原爆はしょうがない」発言に加えて、松岡の後任に就いた農水相・赤城徳彦の事務所経費問題が浮上した。野党もメディアも追及に躍起だが、政治とカネをいうなら、民主党にはもっと大きな問題がある。
代表・小沢一郎の蓄財三十五億円だ。さらには民主党が出した参院副議長・角田義一の問題だ。角田は朝鮮総連から献金を受けていた。議員が外国から献金を受けることは禁じられている。こともあろうに北の将軍様の号令一下で動く総連から政治資金を得ていた。角田は早々と辞任したが、赤城と違って釈明の記者会見すらない。なんでも、
「本部から一切しゃべるなと命じられている」
という。赤城のケースは十年間で九千万円、年にすれば一千万円足らず、月に百万円足らずの経費が問題とされる。くらべて小沢のケースはケタが違う。まずは四億円を超える事務所経費が問題となった。同じく事務所経費で辞任した行革相・佐田玄一郎の七千八百万円を遥かに超える。
続いて十億円の蓄財が明らかになった。小沢は掻き集めた政治資金を資金管理団体「陸山会」に貸し付け、陸山会はこのカネで都内十一カ所に不動産を購入し、これを賃貸する。かくしてカネはカネを生み、資産は十億円を超える。不動産の名義は小沢本人だ。いずれ小沢の子が陸山会を引き継げば、贈与税も相続税もなしに済む。資産の維持・増殖、これに勝るものはない。要するにチンケな不動産屋が政治家をやっている。
小沢のような政治資金を利した資産形成を、政治資金規正法はユメにも想定していない。これには検察もビックリとか。今回の政治資金法改正は「本人名義」を禁じた。小沢ショックといえる。小沢の錬金術はこれにとどまらない。以前から政界には、
「小沢の蓄財は三十億円をくだらない」
とする噂があった。小沢の風圧はそこから来る。小沢神話の源だ。
まさしくそれを暴いたのが、『週刊文春』のスクープ記事「小沢一郎『現金25億円』の錬金術」(二〇〇七年六月二十八日号)だ。
これによれば、なんと彼がつくっては壊した新生党と自由党――この二つの政党助成金を、それぞれ別個の政治団体「改革フォーラム21」と「改革国民会議」にシフトさせていた。前者に七億円、後者に十三億円のカネを貯め込んでいる。うち六億円が政党助成金だ。
とんだ「改革」だ。他にも団体があり、合わせて二十五億円とある。さきの十億円を加えれば、なるほど三十五億円となる。
政党助成金は国費だ。政党を解散する際、その残高は国に返還する定めがある。小沢は政党の合併によって、これを逃れていた。しかもこのカネを、新しい政党の経理に入れずにプールしていた。現に民主党と合併する時、民主党から三億円の寄付を受けている。三十五億円の蓄財を隠しながら寄付を受け取るとは、いかにもセコイ。
くらべて民主党の創立者、大家の鳩山由紀夫(現幹事長)は甘い。庇を貸して母屋を取られるだけではない、カネまで取られていた。いまやそれと知って、民主党幹部は憤懣やるかたない。『週刊文春』によれば、菅直人が歎息していったそうな。
「やられた。えらい目にあった」
逆らえないシステム
考えてみれば、現行の小選挙区比例代表並立制と政党助成金は、細川護 政権の「影の主役」小沢一郎が導入した。いまになって、小沢の企みがわかる。なるほど小沢が政党助成金を導入し、政党をつくっては壊していたのは、そのつど国費を掠め取るためだったのか。政党をガラガラポンするたびに小沢の株は上がり、政治資金が集まる。加えて政党助成金を猫ババできる。
なにしろ小選挙区比例代表並立制は、党首の権力を担保する。政党助成金の配分は党首の恣意による。二つ合わせて、誰も逆らえない錬金システムを小沢は構築した。いやはやお見事というべきか。
小沢の二つの「金庫」二十億円を管理・運用する平野貞夫はいう。
「なんら違法ではない。このカネは将来に備えた軍資金だ。いよいよ天下を取れる時に使う」
理屈と膏薬は何にでもつく。衆院事務局で三十三年間つとめて法規に通じる平野にすれば、先の都内十一カ所の不動産の賃貸・本人名義と同様、法的に遺漏はあるまい。だからといって、国費を自分の資金管理団体に貯め込むのは、民主党幹部ならずとも、釈然としない。違法でないというなら、赤城が領収書を出さないのも違法ではない。
従来の政治資金規正法は領収書の添付を義務付けていない。さきの改正で五万円以上の支出に添付が義務付けられた。小沢は赤城に向けて、
「閣僚なのだから領収書を出せ」
と迫る。これは事後法を押しつけるにひとしい。東京裁判は事後法で裁いた。いずれの先進国も事後法で裁くことを禁じている。文明国の条件だ。東京裁判は文明の条件に反する。それと同種の非難を赤城に浴びせる。
事務所経費に領収書の添付を義務付けなかったのは、これに機密費の意味合いを持たせたからだ。政治に機密費は付きものだ。誰しも機密費として使って、領収書なんぞ付けたくない。赤城に領収書を出せというのは、
「お前だけ機密費を明かせ」
というにひとしい。自分がやりたくないことを赤城にせまって、政治とカネのスケープゴートにする。寄ってタカってするイジメだ。赤城には縁もゆかりもないが、見ていて見苦しい。
政党を壊してナンボ
だいたい政党助成金をひとり猫ババする小沢に、赤城を非難する資格があるのか。小沢の主張に乗るメディアも同断だ。早い話、国税から領収書の添付は必要なしとされていたものについて、ある日、いきなり「領収書を出せ」といわれたらどうなる? それと同じだ。
小沢といい角田といい、共に赤城のケースにくらべてコトは重大だ。なのにメディアは追及しない。偏向報道というしかない。
「政治とカネ」を追及するなら、もっと大事な問題がある。たとえば議員には年間一千二百万円の文書交通費が支給される。議員は新幹線も航空機もファースト・クラスでタダだ。東京に立派な宿舎も用意されている。議院の自動車課には二百台の車と二百人の運転手が常時待機している。交通費が要るわけもない。おまけになぜか東京選出の議員にも同様に支給されている。
衆院の赤坂宿舎が問題になったが、参院はホテルオータニの真向かい、清水谷宿舎の改築を進めている。超高級の「億ション」となるはずだ。このような構造的な冗費こそ追及すべきだ。赤城の問題等チマチマしたことばかりに目を向ける。
それにしても小沢からポロポロ人が離れていく理由も一段と明らかになった。二階俊博、中西啓介、愛知和男……彼らは小沢のカラクリを薄々知りながら、その吝嗇に呆れて去って行った。所詮、吝嗇はもって生まれた性で、どうにもならない。田中角栄は小沢をことのほか可愛がった。
「カネなんて、あるところから引っ張ってくりゃいいんだ。一番カネのあるところ? 国に決まっているじゃないか」
角栄は越山会を創立し、「日本列島改造論」を打ち出し、改造にからむ利権を漁った。小沢は師匠に倣って陸山会を創立、「日本改造計画」を声高に叫んだ。師匠の角栄は掠め取った国費を家の子郎党に大盤振舞いした。くらべて弟子の小沢はひたすら貯め込む。小欄の親父は江戸っ子で、「カネと鼻糞は貯まれば貯まるほど汚い」と教えた。よってあのような悪相となる。ゼニ丸こと金丸信の面相に似てきた。
小沢が真に師匠と仰いだのは金丸だったのだろう。金丸は家宅捜査を受けたおり、金庫に現ナマや債権で五十六億円のカネを貯め(報道によっては金額が違う)、さらには無印のインゴット(金の延べ棒)数本まで発見された。小沢の金庫に何が入っているか、知れたものではない。 小沢には「壊し屋」の異名がある。解体業者は建物を壊してナンボとなる。政党を壊してナンボとは知らなかった。いまや小沢は「年金選挙」を唱えて参院選に勝機を見ている。自民党大敗↓政界再編のシナリオだ。すなわち次なるガラガラポンは、小沢の新たなる商機でもある。(文中敬称略)
リベラルタイム9月号「永田町仄聞録」
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