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「自公連立」の意義をシビアに再分析し考え直すひとつの機会   木走日記
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投稿者 Kotetu 日時 2007 年 7 月 31 日 03:57:17: yWKbgBUfNLcrc
 

2007-07-30 「自公連立」の意義をシビアに再分析し考え直すひとつの機会
■[政治]参院選与党惨敗:「自公連立」の意義をシビアに再分析し考え直すひとつの機会 18:27

 昨日の参院選自民惨敗を受けて本日(30日)の主要紙社説は一斉にこの問題を社説に取り上げています。

【朝日社説】参院選・自民惨敗―安倍政治への不信任だ

http://www.asahi.com/paper/editorial.html

【読売社説】参院与野党逆転 国政の混迷は許されない

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070730ig90.htm

【毎日社説】自民惨敗 民意は「安倍政治」を否定した

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070730k0000m070182000c.html

【産経社説】自民大敗 民主党の責任は大きい 首相は反省し態勢強化図れ

http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070730/shc070730000.htm

【日経社説】安倍首相はこの審判を厳粛に受け止めよ(7/30)

http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20070729AS1K2900329072007.html

 安倍政権続投問題も絡めて各紙論説は意見が割れています。

 【朝日社説】は首相は即刻退陣すべきと結語で主張します。

 そんな新しい緊張感にあふれる国会を実現するためにも、首相は一日も早く自らの進退にけじめをつける必要がある。

 【読売社説】は、「国政の混迷は許されない」として、安倍政権は「民主党との協調も模索しつつ、態勢の立て直しを図」るべきとしています。

 それには、選挙の審判を重く受け止め、民主党との協調も模索しつつ、態勢の立て直しを図らねばならない。

 【毎日社説】は、安倍首相は総選挙で国民の信を問えと訴えます。

 首相は参院選敗北にもかかわらず続投を決意したからには、早期に衆院を解散し、改めて信を問うべきである。

 【産経社説】は、「民主党は、真に政権を担える勢力たりうるかどうかを証明」すべしと民主党の責任は重いと指摘しました。

 小沢一郎民主党代表が提唱する政権交代可能な二大政党はよしとするが、衆院解散に追い込むため、これまでのような政局本位で対決路線を続けるのかどうか。民主党は、真に政権を担える勢力たりうるかどうかを証明することが求められている。

 【日経社説】も、民主党に「いたずらに政局を混乱させるような行動は」つつしめと戒めます。

 参院で第1党に躍り出た民主党の責任は重大である。民主党は早期の衆院解散を求めてさらに攻勢を強める構えだが、国会で何でも反対の方針をとったり、いたずらに政局を混乱させるような行動はとるべきでない。そのような無責任な態度は有権者の失望を招くだけである。

 ・・・

 各紙メディアは、参院選・自民惨敗を受けて朝日・毎日は安倍氏の責任論を展開しつつではありますが、いずれも参院第一党になった民主党の責任は重大になったとしています。

 今回の選挙結果の分析はこれら主要紙社説や他の時事系ブログにお任せするとして、当ブログで取り上げたいのは、少し不思議なほど主要紙社説では取り上げられていない素朴な現実について、角度を少し変えて考えてみたいのであります。

 それは、今回敗北したのは「自民」ではなく「自公連立」政権であるということであります。

 そして今回の選挙結果は実は極めて重要な事実を突きつけていると思うのであります。

 それは自民・公明双方にとっての「自公連立」の意義であります。

 このまま「自公連立」を続けるべきなのかどうか、ということであります。

 ・・・


●問われる「自公連立」の意義

 今日(30日)の朝日新聞電子版速報記事から。

自公、連立維持へ 内閣改造、8月末から9月に

2007年07月30日14時08分

 自民、公明両党は30日午前、安倍首相が続投する意向を表明したことを受けて、首相を支持する方針を正式に決めた。引き続き安倍首相と公明党の太田代表が党首会談を開き、連立政権を維持する方針を確認した。与党は、参院議長などを決める臨時国会を来週召集する方向で野党側と調整に入る。さらに、首相は8月末から9月にかけて内閣改造・党役員人事を行う見通しだ。一方、民主党は参院第1党の座を占めたことで、議長などの主要ポストを獲得し、攻勢を強める構えだ。

http://www.asahi.com/politics/update/0730/TKY200707300187.html

 「安倍首相と公明党の太田代表が党首会談を開き、連立政権を維持する方針を確認」したそうであります。

 ・・・

 まず自民党の立場でこれまでの「自公連立の意義」を考えて見ましょう。

 論点はいくつかありますが、まず第一にこの連立の意義は「数の論理」にあることは異論をまちませんでしょう。

 現在、衆議院では300もの議員数を誇る自民でありますが、参議院では10年以上、単独過半数をおさえることができないでいるがために、安定した政権とするために自公連立により参議院の過半数をかろうじておさえてきたわけです。

 しかし、この自公連立の最大の意義である「数の論理」は今回破綻いたしました。

 自公合わせても民主一党の議員数に及ばなくなったからであります。

 つまり、自民は公明がいなくてもいても、衆議院では絶対過半数を保ち、参議院では過半数には絶対に至らない状況になったわけです。

 「数の論理」による連立の意義は今回破綻いたしました。

 次に自民自身がその支持基盤が弱まり各選挙でかつてのように思うように集票ができないために、公明支持層の協力なしではもはや選挙はできない、という選挙区事情からの「自公連立の意義」が言われています。

 この論理も2005年郵政総選挙における自民圧勝の「追い風」と今回の年金参議院選挙の自民惨敗の「逆風」の結果からあやしくなってまいりました。

 確かに個々の選挙における公明票の存在はとても大きく支持基盤が弱まっている自民候補にとって無視できない存在であります。

 しかしながら、過去2回の「風」を巻き起こした選挙の結果(2005年総選挙の小選挙区での自民の地すべり的勝利と今回の1人区における自民惨敗)は、近年の小選挙区制においては、ひとたび「風」が起こると公明票の存在よりも無党派層中心の「風」の猛威の前に結果が左右されることが明らかになりつつあります。

 ひとたび追い風が吹けば自民支持層だけでも公明支持票無しでも自民候補が続々当選することを2005年総選挙の得票結果が示しています、つまり多くの選挙区で公明支持票以上の票差を付けて民主候補に圧勝できたという結果がそれを証明しています)。

 逆に今回のように逆風が吹けば、どんなに自公協力をしても民主一党に惨敗することも、近年の小選挙区制における特徴なことを示唆しています。

 公明党が協力しても惨敗することもあるし、自民党だけに「追い風」がふき圧勝することもあることが過去二回の選挙で見えてきたのです。

 つまり、「選挙区事情」による連立の意義も今回破綻の危機にあります。

 ・・・

 一方の公明党の立場でこれまでの「自公連立の意義」を考えて見ましょう。

 まずは今回の選挙でも公明党が盛んにピーアールしていた「政策実現力」、政権に参画することによるメリットがありましょう。

 責任政党として与党であることのメリットは特に地方選挙のときに政策実現力を有していることを大きくピーアールしてこれたのは事実であります。

 しかし今回はこの政権に参画している事実が完全に裏目に出ています。

 自民の大敗に引きずられる形で公明も特に選挙区選で貴重な現職も含めて落選の憂き目にあってしまったからです。

 今回は例えば「政治とカネ」の問題においても与党内の健全なチェック者としてよりも、自民との「共犯者」としての負のイメージを植えつけられたことは、各メディア出口調査における無党派層への公明支持がほとんど浸透できなかったことからも明らかです。

 さらに公明党にとり過去二回の選挙結果では厳しい現実が突きつけられています、それは自民に追い風が吹いても小党公明党には議席増につながりにくい(2005年)のに対し、今回のように自民に逆風が吹くと、小選挙区制においてはもろに小党公明党にもアゲインストになるという事実です。

 公明党にとっても「自公連立の意義」は今大きく揺れだしているといっていいでしょう。

 ・・・

 表面上、この局面で自公連立解消は両党にとって検討対象外なのでありましょう、当然ですが双方とも、自公連立に変わる戦略が用意されているわけではまったくありません。

 ただ水面下ではこの歴史的敗北の徹底分析とともに連立関係そのものの意義も含めた見直し検討作業に入ることは間違いないところでしょう、看過してよいような生易しい負け方ではなかったからです。

 ・・・

 このまま「自公連立」を続けることがはたして両党に取り本当にメリットがあり続けるのかどうか?

 その意味で、この参議院選挙結果は、自民にとっても公明にとっても、表面上はともかく裏では「自公連立」の意義をシビアに再分析し考え直す機会となる、そうは考えられないでしょうか。

 メディアがこの問題をあまり取り上げないのは少し不思議なのであります。

 今回の大敗北で態勢の立て直しを図る必要があるのは、自民党内部だけではなくその連立関係にも当然およぶ可能性があると考えます。


(木走まさみず)
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MI−6
『さすがは木走さん、鋭い指摘です。私なんか全く気づきませんでした。でも、メディアもとぼけて取り上げないのと少し異なる点で、木走さんも知らん振りしてますね。

?公明党は自民が政権を握っている限り連立を解消しない。イヤ、できないのです。定説です。公明党が解消したくとも創価学会(イヤ、池田○作が許可しません)政権を離脱すること、即、国会証人喚問招致と彼は思い込んでいます。
ですから、絶対政権与党との連立は解消しません。
もちろん、こんなことは、会社経営者の木走さんは、先刻ご存知ですよね(笑)

?大手新聞社は、「聖教新聞」の印刷を業務受託しています。毎日が有名ですが、他の全国紙も同様です。
さらに、雑誌・○○革命等の著書の広告を出稿してもらっている関係で、そんな恐ろしいことを分かっていても、とても書いたり、放送したりできません。

?自民党にとっては、木走さんのおっしゃるとおり、連立解消は十分可能ですし、創価ぎらいの保守層の得票数が、相当増加するでしょうね。
次回、衆院選に安倍氏がその決断をすれば、郵政選挙の再来となるのではないですか?』
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木走日記
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