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□どっちがマシか 安倍vs小沢「党首力」 [読売ウイークリー]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070724-01-0202.html
2007年7月24日
どっちがマシか 安倍vs小沢「党首力」
29日に迫った参院選は、年金問題などによる与党への猛烈な逆風が吹き荒れ、政権選択選挙の様相を帯びてきた。そうなると、カギを握るのは両党を率いる安倍晋三首相と小沢一郎代表の「党首力」だ。
本誌は安倍政権発足間もない昨年10月に、安倍、小沢両氏の「党首力」を比較した。
「リーダーシップ」「政策力」など12の項目を採点したのは、第一線で活躍する5人の政治評論家、政治ジャーナリストら(浅川博忠、有馬晴海、伊藤惇夫、伊藤達美、花岡信昭の各氏)だ。前回の結果は、安倍首相が68.4点(100点満点)で、小沢代表の66.8点をわずかながら上回った。
それから約9か月。この間、通常国会、衆院補選、統一地方選挙など、党首の力量が試される場面も多々見られた。これらを踏まえて、前出の5氏に改めて党首力の採点をしてもらった。その結果は、両氏とも10ポイント以上、評価を低下させたものの、その差はさらに縮まり、安倍首相が55.9点、小沢代表が55.3点と、ほぼ拮抗した。
それでは、個別の評価の内容を見てみよう。
「リーダーシップを『わがまま』と混同してるのでは」と、安倍首相を厳しく評価するのは伊藤惇夫氏。前回調査では、安倍首相のリーダーシップに70点近くをつけていたが、今回は40点と大幅に評価を落とした。対する小沢代表には「『負けたら政界引退』という発言で党内を掌握し、結局は『小沢頼り』で党内をまとめ上げた」と高い評価をつけている。
ほかの各氏も安倍首相のリーダーシップについては「論功行賞、お友だち内閣、相次ぐ閣僚の失態、失言でリーダーとしての任命責任が厳しく問われる」(浅川氏)、「戦う政治家を目指す姿勢は分かるが、強気一点張りは、ともすれば独りよがりに映る」(有馬氏)、「相次ぐ閣僚の失言、不祥事への対応は、情緒的優しさが裏目に出た」(伊藤達美氏)など辛口の論評が多かった。
「お友だち」の代表格である塩崎恭久官房長官への不評に始まり、柳沢伯夫厚労相の失言、自民党総裁選の論功行賞人事と言われた松岡利勝・前農相の自殺。最近になっても久間章生・前防衛相の「原爆しょうがない」発言、赤城徳彦農相の事務所費問題などが相次いだ。安倍首相の「人を見る目」や、指導力に疑問を持たれても仕方のない状況だ。
もっとも、小沢代表に対しても「はっきり自分の意見を言う議員を遠ざける傾向が強く、党としての総合力を出せないでいる」(伊藤達美氏)といった声もあり、評価は安倍首相を下回った。
ほかに、安倍首相が評価を落とした項目で目立つのは、「人気」と「調整能力」だ。安倍首相の最大の武器だった「人気」は、前回の90点から、実に38点のマイナス。「調整能力」は同67点から20点のマイナスだ。
「総裁選の人気はどこに行ったのか。若さや経験不足のマイナス面が目立つ。内閣や党の主要ポスト、特に幹事長、国対との連携もうまくとれていない」
とは有馬氏の評。
「期待が大きかっただけに、失望感も大きい」(伊藤惇夫氏)
ということか。テレビの討論などで、
「あなたの言っていることは全くの間違いですっ!」
などとキレる姿を頻繁に国民の前にさらしたことも、影響が出ているようだ。
また、国民投票法案や社会保険庁改革関連法案、年金時効撤廃特例法案などをめぐる国会運営ついて、浅川氏は「あまりに強行採決が多すぎた。野党との話し合いや調整にもっと力点を置くべきだった」
と、減点材料に挙げている。
一方、小沢代表は、「リーダーシップ」「理念・哲学」「政局観」「経験」の各項目で安倍首相を上回った。なかでも圧倒しているのが、旧自治相、官房副長官、自民党幹事長、新進党党首、自由党党首と、政府、与野党の中枢を渡り歩いてきた「経験」だ。安倍首相に37点もの差をつけた。
しかし、それが実際の参院選でプラスに働くかどうかは別問題だ。
「政権党でナンバー2(自民党幹事長)まで上り詰めたのは、10年以上も前のこと。培った手法も古いものであまり役立ってはいない」(有馬氏)、「幹事長として自民党に勝利をもたらした1990年の衆院選での手腕や、93年の細川政権樹立で見せたような冴えと輝きが懐かしい」(浅川氏)と、すでに“過去の栄光”との見方もある。実際、民主党内には「小沢さんは『民主党の若いやつは人の多い場所で演説したがるが、そんなところでいくら演説しても票にはならない』といって、熱心に田舎を回っています。でも、本当に効果があるのかどうか……」と、小沢代表の手法に懐疑的な声もある。
いずれにしても、参院選の結果で、有権者の両党首に対する評価は定まる。逆風を跳ね返して安倍首相が政権の座に座り続けるか、与野党逆転を実現し、小沢代表が政権交代に向けて政局の主役となるか――。その結論はもうすぐ出る。
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