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http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2007072402035134.html
2007年7月24日 朝刊
一枚の奇妙な地図がある。中国・朝鮮半島から日本はどのように見えるのか、という視点で描かれた北東アジア。航空自衛隊イラク派遣部隊を統括する統合幕僚監部の報道官室に掲げてある。
「われわれがイラクに行っているのは、日米同盟と対北朝鮮の防衛のためです」。派遣経験を持つ空自隊員は、そう言い切る。
空自派遣部隊の総指揮官である織田(おりた)邦男空将(55)もまた、隊員に繰り返し派遣の意義を言い聞かせている。
「諸官は、メソポタミアの地で日本海を守り、わが領土を守っているのだ」
イラクの空を飛行するC130輸送機のコックピットの中では、遠い中東と朝鮮半島が分かち難く結びついている。
空自の任務は米兵輸送が中心。隊員を派遣する小牧基地司令の浮須一郎一佐(50)は「イラク政策で非常に困っている米国を真の友としてサポートすることが、日米同盟の緊密化につながる」と強調する。
空自隊員が、命の危険と隣り合わせの地で米軍とともに汗を流す。その中で、同盟国としての信頼や連帯感、一体感が深まり、「戦地」での活動に不可欠な貴重な情報も徐々に共有されるようになってきた、という。
「派遣前、米軍に案内された指揮所では、作戦を映し出す画面が消された。一年後、アジト攻撃など作戦の細部まで教えてくれるようになったが、情報部門の部屋にだけは入れなかった。それが昨秋には、情報部門の部屋でブリーフィング(説明)まで受けたんだ」。空自関係者は、イラクの南東約六百キロにあるカタールの米軍指揮所での体験を明かす。日米同盟の緊密化は、隊員の努力の代償といえる。
国民の印象に残るサマワでの陸上自衛隊の活動とは対照的だ。陸自は米軍とは距離を置き、日本独自のやり方で給水支援や公共施設の復旧、整備などを行い、評価を得た。だが、陸自関係者は、活動に暗黙のすみ分けがあったことを認める。「陸自は初めて、独り立ちした顔の見える国際貢献活動を完遂できたが、それは空自が『対米支援』という黒子を担った結果だ」
陸自が切り開いた新しい「国際貢献」の陰には、前提として同盟の象徴を担う空自の存在がある。「中国大陸や朝鮮半島の情報さえ米軍頼みなのが実情。自衛隊だけで日本は守れない以上、中東でもどこでも、自衛隊が米軍の信頼を勝ち得るのは意味がある」という。
今年四月の日米首脳会談。ブッシュ米大統領は「拉致問題に対する私の強い感情は薄れることはない」と述べ、イラク政策への支持を表明した安倍晋三首相を満足させた。
しかし、その後の北朝鮮をめぐる米国の対応は「揺るぎない同盟」にいくつもの疑問を生じさせた。拉致問題を重視する日本の頭越しに米国と北朝鮮による二国間の交渉が進展していく現実に、国内では不満が漏れる。
拉致問題の調査を行う特定失踪(しっそう)者問題調査会の荒木和博代表は「アメリカにとって日本人拉致は結局は人ごとであり、同盟関係だからといって面倒を見てもらうつもりではだめ。身も心も委ねてしまえば、結局はアメリカの都合で幕引きされる」と警鐘を鳴らす。
核問題をめぐり、今月、北京で行われた六カ国協議の首席代表会合。「圧力だけでは問題は解決しない」。北朝鮮代表は、アメリカ代表と握手した際の笑顔とは違う表情で、日本を激しく非難した。
日米が一枚岩であるどころか、さも、別々の道を歩んでいるかのように−。
[関連投稿]
米兵中心に1万人空輸、実態隠す政府(東京新聞)
http://www.asyura2.com/07/senkyo39/msg/222.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 7 月 23 日
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