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2007/07/17
(記者会見)霞が関・中央省庁の非常勤国家公務員労働条件一覧について
こんばんは。
以下は、記者会見のときに配布した文書「霞が関・中央省庁の非常勤国家公務員労働条件一覧について」です。一覧表とともに、文章中に「資料1」とか「資料2」とか出てくるように内部資料を用意しました。現職の非常勤職員のなかで、一覧表がほしい方は、名前、所属省庁、部下局、住所などを記した上で、フリーメールを送って下さい。
この一覧表をもとにして、庶務や会計課に、支払われていない諸手当や日額について問い合わせてみて下さい。特に厚生労働省で働く方々は、賞与の支給要件について知ってほしいです。
「読売」「朝日」「毎日」「時事」「共同」の記者のみなさん、フリージャーナスリストのみなさん、本当にありがとうございました。
毎日新聞の報道
しんぶん赤旗の報道
新聞社・出版社の方、「霞が関のワーキング・プア」というテーマで僕に論文を書かせていただけませんか。この4年間の活動経験を全面展開します!!非常勤職員の悲しみや劣悪な労働条件を改善するためなら、何でもしますよ。
霞が関・中央省庁の非常勤国家公務員労働条件一覧について
2007年7月17日 国家公務員一般労働組合(国公一般)
調査の方法
国家公務員一般労働組合(2003年12月結成、山瀬徳行委員長、組合員××人)は、昨年11月から今年7月にかけて霞が関・中央省庁で働く非常勤国家公務員(以下、非常勤職員)の労働条件について調査してきた。この調査結果は、まず吉川春子参院議員(日本共産党)の国政調査権にもとづいて明らかとなった各省庁作成の「非常勤国家公務員の取り扱い規程」に、国公一般が、霞が関で働く非常勤職員(組合員含む)から提供を受けた内部資料や各省庁のHP、求職雑誌、さらには各省庁の大臣官房秘書課に問い合わせて得た情報を加えたものである。
なお、この規程集は、あくまで省庁内の標準的な条件(資料1)、または省庁内のある部局が募集している一例(資料2)であり、非常勤職員の個別的労働条件までは明らかにしていない。
調査の意義
霞が関・中央省庁で働く正規の国家公務員は4万165人であり、それに対して非常勤職員は1万3142人である(資料3)。今回の調査は、そのうち数千人規模で存在していると思われる「事務補助職員」と呼ばれる非常勤職員の労働条件を対象にした。
これまで霞が関・中央省庁で働く非常勤職員の労働条件は、各省庁各部局の裁量で個別バラバラに決められてきた。同時にそれは、採用された非常勤職員に対して文書で明示されることもほとんどなかった。よって、その全容は深い闇のなかにあった。しかし、このたび労働組合と多くの協力者との合同調査によって、労働基準法で書面での明示が義務づけられている「労働条件通知書」(第15条)なみの内容を初めて公表することができたことは、大きな意義がある。
現職の非常勤職員は、支給されていない諸手当等につき、この一覧表の範囲内で当局に要求出来るし、そもそも自らの「労働条件通知書」を開示するよう求めることが出来る。
調査の概要
今回の調査で浮かび上がってきたことは、霞が関・中央省庁で働く非常勤職員は、@「日々雇い」更新で、15日/月(××省)や1カ月(××庁)など極めて短期間の任用期間で働いており、A上限2年または3年で雇い止め(××省のみ4年)となる、B業務内容は「文書・資料の作成・整理」が多いが、「データ入力・調査票とりまとめ」(××省)や「秘書業務」(××院、××省)、「法案作成事務補助・議事録作成」(××庁)など、正規の国家公務員の基幹業務に携わっている者もおり、超過勤務をしている者もいる(超過勤務を明示しているのは6省庁)。依然として「清掃・接客」(××府)や「コピー取り、電話対応」(××省、××庁、××省他)といった「雑務」で働く非常勤職員も存在する、C賃金は日額6580円(××庁)から1万円(××省)まで幅があり、D諸手当は、交通費(××省のみ賃金込み)、賞与(××院、××省、××庁、××省、××省、××省、××庁)、住宅手当(××省)、退職金もそれぞれ支給されるところとないところがある――総じて正規の国家公務員の待遇と比べて大きな格差のある労働条件で働かされていることである。
Bの業務内容につき、会計検査院の「臨時的任用職員(常勤職員待遇)の募集」と「公害調整委員会非常勤職員募集について」とを比較してみれば一目瞭然であるが(資料4)、この4年間に国公一般に寄せられた非常勤職員の労働相談や組合員からの聞き取りによって、霞が関で働く彼女彼らが従事する業務は、正規の国家公務員が携わる基幹業務とほとんどかわりがない。にもかかわらず、各省庁は、年度末が近づくと大量の非常勤国家公務員を雇い止めにし、新たな採用の募集をかけるという矛盾に満ちた行為を繰り返している(資料5)。
経過説明
国公一般には、年間50件の労働相談が寄せられ、うち約10件につき各省庁当局や派遣元企業と団体交渉権を重ねることで勝利的に解決してきた(資料6=全紛争事案資料は割愛)。年毎に非常勤職員からの相談が増えており、その内容は、人事院が発表した「平成17年度の苦情相談の概要」(『人事院月報』2006年10月号)とほぼ重なる。すなわち、雇い止め、賃下げ、パワハラ・セクハラ事案である(資料7)。
非常勤職員の身分保障や労働条件を規定するのは、国家公務員法と人事院規則、そして給与法等である(資料8)。採用は、公募から書類選考と面接を経て決まる。職場で「バイトさん」などと呼ばれる非常勤職員であるが、任用上は国家公務員であるため、労働基準法や労働組合法は適用されず、法のはざまに放置されたままになっている。
大半の非常勤職員は、深刻な悩みを抱えていても職場の正規職員に対して相談することが出来ないという。しかも国公一般の組合員となって各省当局に団体交渉を申し入れても、まともな交渉対応をせず、次回の任用更新を止められるという困難に直面することになる。
このことは労働基準法や労働組合法が適用される公務職場で働く派遣・請負労働者が抱える労働トラブルの解決対応とは大きな差がある。
ところで、今回の調査に踏み切った発端は、昨年2月、経済産業省の特許庁で働く非常勤職員からの「2年間働いているが有休が一日もない。いったいなぜなのでしょうか」という相談であった。特許庁が作成していた文書(資料9)を検討したところ、年次有給休暇どころか諸手当もなし、加入要件を満たしている雇用保険や社会保険にも「加入しない」と明示されていた。日給は交通費込みの7300円(月給換算で約16万円であるが、当該職員の交通費日額900円を引けば時給800円となり、東京都の最低賃金をわずか81円上回るだけであった)。特許庁は、この文書を在任中の相談者に渡していなかった。
新聞報道(資料10)と国会追及(資料11)によって、特許庁は社会保険未加入の件につき謝罪したものの、講じた是正策は、@過去2年分の保険料を遡及して職員に請求しながら、A社会保険の適用外となる新たな短時間勤務形態を提案する、という最悪な内容であった。こうした状況を少しでも改善するためには、全省庁的な調査を行い、その結果を納税者である国民の前に明らかにして問題提起することが必要だと思われたからである。
問題点
政府・総務省の見解と人事院の問題意識につき、国会議事録によってある程度理解することができる(資料12)。すなわち、政府は、非常勤職員の定義を「常時勤務を要しない臨時的業務とか変動的な業務に対応する、……業務の実状に応じてその都度採用して、必要な期間だけ雇用するもの」とし、それゆえに、非常勤職員の賃金をはじめとする処遇の統一的な実態調査にはなじまないと主張する。
しかし他方で政府は「(社会保険庁の)徴収事務は、国庫金の徴収についての信頼性を確保しなければならないこと、未納者から保険料を徴収する事務であり、高い能力が必要であることから、正規職員が本来実施すべきところでございますけれども、国の定員削減により増員が困難でありますことから、非常勤職員をもって対処しているところであります」と「本音」をのべている。
相次ぐ定員削減のもとで、非常勤職員がいなければ国民のための公務サービスは遂行されない職場と、それにもかかわらず毎年のように繰り返される非常勤職員の雇い止め……、この現実が公務の専門性が安定的に継承できないという大問題を引き起こしている。「消えた年金」事件の背景にある一つの問題として指摘しておきたい。
さらに政府が各省庁にまかせている無責任な運用が、大学教員など一部の高額給与取得非常勤職員を野放しにし(資料13)、多くの非常勤職員にとっては、「庁費」削減による大幅な労働条件悪化へとつながっている(資料14)。
人事院は、今春闘における国公労連との交渉のなかで初めて「非常勤国家公務員をめぐる問題について検討する」と言明した。今国会で成立した国家公務員の育児休業に関する改正法の附帯決議には「いわゆる常勤的非常勤職員の職務内容、勤務条件等の勤務実態について早急に調査すること」が盛り込まれた。
まとめ
非常勤職員(事務補助職員)の労働条件は、同一労働同一賃金の原則に立った統一的な処遇改善を行うべきである。「日雇い」扱いをやめ、正規職員なみの諸手当の支給と休暇(有給の病気休暇や夏季休暇)を与えるべきである。それが出来ないのであれば、非常勤職員を任用制度から除外し、労働基本権が行使できる労働者として位置づけるべきである。そうしなければ、非常勤職員の労働条件の向上に向けたとりくみは遅々として進まないであろう。
すでに霞が関・中央省庁では派遣・請負労働者が多数働いている。入手した資料に拠れば、国家の中枢業務である会計課や専門業務外の仕事(非常勤職員と同じ仕事)についている。果たして国家の任用関係と民間派遣の雇用関係とは整合性が取れるのかという問題提起を含めて、今後も国公一般は、国の機関で働く非正規労働者の労働条件向上のために全力で取り組んでいく決意である。
以 上
投稿者 がぶり寄り 日時 2007/07/17 午後 08時21分 |
http://kokkoippan.cocolog-nifty.com/gappuri/2007/07/post_e0e0.html
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