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政治記事読みくらべ
2007年8月3日
自民党は「振る舞い政治」から決別せよ!=田原総一朗(ジャーナリスト)
参議院議員選挙の結果如何にかかわらず、自民党という政党の賞味期限はとっくに切れている。
すでに古い話だが、佐田玄一郎前内閣府特命担当大臣、伊吹文明文部科学大臣、松岡利勝前農林水産大臣、そして、赤城徳彦現農林水産大臣が、いずれも、事務所経費について、きわめて不透明で不自然な説明を行った。こうした発言を聞くたびに、自民党の賞味期限切れを痛切に感じたものである。
佐田さんは、政治団体が実在しない事務所の家賃等十年間に約七千八百万円を計上していたことが、昨年十二月に発覚し「他の政治団体の経費を付け替えていた」として、会計処理の違法性を認めて、大臣を辞任した。伊吹さんは、議員会館に主たる事務所を置く資金管理団体が、五年間に約二億二千万円の事務所経費を計上していたことが発覚したが、「都内や地元京都の事務所経費を合算した」と説明した。自殺した松岡さんは、議員会館に事務所を置きながら、二〇〇一年から〇五年で事務所費約一億四千二百七十五万円、光熱費約二千八百八十一万円を計上し、「なんとか還元水の装置をつけている」と釈明していた。赤城さんは政治団体の主たる事務所を実家にしており、事務所経費等を十年間に約九千万円計上していた。
事務所経費は、政治家たちが自由に使える唯一の便利な財布である。事務所経費だけは、領収書の添付が必要ないからだ。だから、自民党の少なからぬ政治家が、表に出ては、はなはだ都合の悪いお金の使い方を、事務所経費の名目で行っているのである。四大臣が国民の疑問や憤りを感じながら、断固として領収書の公表を拒絶したのは、彼らが事務所経費の領収書を公開すれば、自民党全体が、困った事態に陥るという事情があったのである。
恐らく、松岡さんの「なんとか還元水」費用のほとんどは、会食費だったはずだ。地元選挙区から上京する後援者、有権者に議員は食事を振る舞わないわけにはいかない。しかし、これが表に出れば、公職選挙法違反となる。そのために、事務所経費として計上している。きわめて単純な構造なのだ。
それにしても、自民党だけが、なぜ後援者や地元有権者に食事を振る舞わなければならないのか。共産党や社民党の野党はなぜ、振る舞う必要がないのか。それは、自民党が発足以来、有権者の面倒を見る政党だったからである。
有権者のために「道路をつくる、橋をつくる、公民館をつくる」等かつては、大きな振る舞いを行ってきた。しかし、いまや財政再建を標榜する方針上、大きな振る舞いはできなくなった。そうした振る舞い政治のなごりが会食費なのである。
それに対して野党は、与党自民党の監視役であると国民は認識し、野党に振る舞われることを一切、期待していなかったのである。
しかし、自民党よ、こんな政治を続けていると、それこそ、金の切れ目が縁の切れ目になってしまうのではないか。
リベラルタイム9月号「this Month!」
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