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2007年08月03日
日米軍事同盟がなくならないもう一つの理由
小さな記事であったがその意味するところは大きくて根深い。だからどうしても書いておきたい。
8月3日の毎日新聞に次のような記事があった。防衛省が2日に東京都内で日本のゼネコン、商社など270社を対象に説明会を開いたという。在沖縄米海兵隊施設のグアム移転にともなう建設事業への参加の説明会である。その記事によれば、「・・・海兵隊のグアム移転に伴う日本側負担は約7200億円。負担額が大きすぎるとの批判があるため、日本企業の受注を促し、国民負担を減らす狙いがある・・・」
この小さな記事の中に、在日米軍問題と金を巡る深刻な問題が集約されている。
一つには日本側が負担する7200億円という額である。グアム移転経費については未だに我々は正確な金額を知らされていない。積み上げされた根拠のある金額ではなく、つかみがねの疑惑がつきまとう。総額3兆円と言う数字がかつて米国高官の口から出たことがあった。しかもグアムと言う米国領土に建設する米軍施設の費用をなぜ日本政府が負担しなければならないのか。その割合はどうなっているのか。これは全くの謎である。
かつて72年に沖縄返還がなされた時、日本政府の対外発表とは裏腹に、殆どの移転経費を日本側が負担した密約の存在が米側文書で明らかになった。日本政府は再び国民を欺こうとしているのではないか。7200億円と言う金額の真偽や、その根拠については、今度こそ国会の場を通して国民に情報公開されなければならない。
二つ目のより深刻な問題は、在日米軍基地問題が解決しない大きな理由として、その背景に日本政府のアメとムチ政策の卑劣さであるということだ。米国従属によって保身を図るこの国の為政者や官僚、御用学者などは別として、一般の日本国民にとって在日米軍が永久に日本に存在し続けるなどということが正しいと考えるものはまずいない。「米軍がいなくなったら誰が日本を守ってくれるのか」といった政府広報を鵜呑みにしている国民はともかくとして、少しでも国際政治や国防を知っている者は、そのような考えが正しいとは思わない。それにも関わらず、在日米軍をなくせという強い声が基地住民の一致した声にならないのは何故か。それは金の問題で国民が分断されているからなのだ。その分断を日本政府が卑劣にも画策しているのだ。
在日米軍基地を受け入れる自治体に対しては交付金を奮発する一方で、それに反対する自治体への交付金を打ち切るなどという、およそ考えられないような恣意的な法律が成立したばかりだ。その一方で、在日米軍基地で働く日本従業員の給与が一般公務員の給与よりもはるかに高いため希望者が殺到するとか、在日米軍に土地を貸与している地主の地代が市場価格を度外視した高額である為、地主の中には働きもせずスポーツカーを乗り回す者が出てくるといった話を聞かされる。
そこにきて、この膨大な建設事業である。公共事業予算削減の中でこれだけの予算がばら撒かれるというのは日米軍事同盟のおかげだと業者が考えても不思議ではない。
悲しいかな人間は理想や正義感だけでは生きていけない。生活に追われる国民は目先の利益をこそ優先する。そしてそれを誰も非難する権利は無い。この弱みをついて不都合な政策を米国の為に実現してきたのがこの国の為政者である。それらの金はすべて我々の税金である。
しかもこれだけの巨額な予算が、防衛施設庁という一部の特殊な行政機構によって独占的に決定、采配されているのである。在日米軍問題についての国民の世論が盛り上がらない理由の一つがここにある。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/08/03/
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