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コラム社説2007年08月02日(木)付 愛媛新聞
赤城農相更迭 小手先で政権乗り切りですか
不明朗な事務所費問題で国民の批判を浴びていた赤城徳彦農相が辞任した。安倍晋三首相による事実上の更迭だ。
参院選での自民党惨敗にもかかわらず、安倍首相は続投を表明。今月下旬にも予定される内閣改造で「人心の一新」を図りたいとの方針を示している。だが、いま最も厳しく問われるべきは首相自身の責任の明確化のはずだ。
こうしたなかでの更迭劇である。もとより赤城農相が事務所費問題で国民の疑惑と不信を招いたまま説明責任を果たさなかったことは重大だ。辞任するのは当然だが、なぜ今になって更迭なのか。国民には十分理解しづらい。
農相に詰め腹を切らせて政権への当座の批判をかわそうという狙いなのか。小手先の乗り切り策に走るようでは国民の理解と支持は得られない。首相は、これまで農相を擁護する姿勢をとり続けてきたことも含めて明解に説明すべきだ。
赤城農相は記者会見で「与党敗北の一因になり、けじめをつけたい」と述べた。もっぱら選挙結果に影響したことの責任を辞任の理由に挙げているが、国民に顔を向けた対応でないのは残念だ。
政治団体の事務所費処理や政治資金管理の不適切さを陳謝し、きちんと説明責任を果たすことこそが求められる。
なにより安倍首相の任命責任と、問題の処理が後手に回ったことの責任は重い。
これまで首相は農相の事務所費処理に法的問題はないと弁明してきたが、選挙結果を受けて行う内閣改造では「赤城農相を含めて人心一新する」と言及するに至った。
改造の時期を明示しないまま、特定閣僚の交代を明言するのは異例だ。その時点で農相更迭は不可避となったが、その翌日に早々と更迭に踏み切った。後任人事も決めていない。
これでは、その場しのぎの対応といわざるを得ない。首相のリーダーシップに一貫性をうかがうことができない。過去十カ月で閣僚の交代が四人になるとはただ驚くばかりだ。国民の意思を見極められずに迷走する政権運営を象徴しているようでもある。
参院選の惨敗で、首相も一連の事務所費問題への対応が不十分だったことを認めざるを得なかった。先の国会で成立させたばかりの改正政治資金規正法も再改正の表明を余儀なくされた。単なるポーズでなく、実効性ある取り組みを求めたい。
今回の審判は、赤城農相らの事務所費問題だけでなく年金記録不備、地方格差などを含め安倍政権が不信任を突きつけられたというべきであり、あらためて首相はその重みをかみしめるべきだろう。
本来は総辞職か衆院解散が筋だが、首相は退陣論を退けた。当面、内閣改造と挙党態勢の構築で乗り切る構えだが、このままでは求心力の低下は避けられそうにない。謙虚な政権運営を心掛けねば、国民の支持回復もおぼつかない。
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