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格差解消、正社員よりパート支援優先 連合が方針転換
8月2日8時0分配信 産経新聞
日本最大の労組中央組織、日本労働組合総連合会(連合)は1日、運動の中心に据えていた大企業、公務員の組合員の労働条件向上よりも、パートなど非正規労働者や零細企業労働者への支援を優先する方針を固めた。低賃金で働く非正規労働者らとの格差解消が狙い。秋の定期大会で新しい運動方針として提案し、了承される見通しだ。連合の運動方針は正社員労組中心の利益団体から、あらゆる形態の労働者と連帯する福祉型労働運動へ大転換することになる。
連合幹部らが作成した運動方針の素案によると、これまでの非正規労働者や中小企業労働者への対応について「取り組みが労組全体のものとはなっていない。(労組の)組織化も一部にとどまり、中央組織としての存在意義が低下している」と総括。今後の運動方針の力点として初めて「非正規労働者や零細企業で働く労働者への支援・連携の強化、組織化に最優先で取り組み、労働条件の底上げを図る」と明記した。
景気の拡大局面が続くなか、割安なパートを雇うことで人件費を抑制するという企業の基調は変わっていない。このため連合は昨年の春闘から、パートの処遇改善や賃上げを目指す共闘組織「パート共闘会議」を設置し、正社員労組と同様に賃上げを要求できる環境づくりを進めてきた。
しかし、正社員と非正規労働者との時間当たりの賃金水準格差は開いたままで、「運動方針を抜本的に変えないと労働者間の格差が固定化してしまう」(連合幹部)との判断から方針転換を決めた。
素案は1日、福岡市内で開かれた中央執行委員会で提示された。今後、議論を重ね傘下労組が出席する10月中旬の定期大会で提案されるが、正社員中心の労働運動を重視する産業別労組から異論が出ることも予想される。
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