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【正論】ジェームス・アワー 不可解な日本メディアの安倍批判
07/17 07:09
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■何が真に重要か熟考を期待する
≪日本経済は悪化?≫
7月の最初の10日を東京で過ごした私は、日本のメディアの多くが安倍内閣に否定的な見解を示しているのを知り、驚いた。もし、私が日本のことをよく知らなかったら日本経済がきわめて悪い状態にあるからに違いない、あるいは日本にとって通常最も重要な国内問題である経済と、外交問題での日米関係の処理を安倍首相が誤ったからに違いない、と思っただろう。
しかし、これら経済、外交などの面で安倍内閣はうまくやっているように思える。日本経済は劇的ではないにしても堅調な成長を続けており、株式市場も上向きだ。米国で聞いたように、私は日本でも超富裕層と一般庶民の間の格差があまりにも大きく、より大きくなってきているとの不満の声を聞いた。グローバリゼーションは日本や他の先進国で超富裕層を生みだしつつあるようだが、中流層もなお、うまくやっているようにみえる。ほとんどの日本人が自身を中流だと考えているのは、いうまでもない。
小泉前首相とブッシュ米大統領の関係があまりに良好だったので、安倍首相がそれよりうまくやるとは信じがたい。しかし、ブッシュ大統領は、小泉前首相に対して抱いたのと同様に、安倍首相に対しても肯定的な感情を抱いており、安倍首相夫人もアメリカ人にその誠実さを印象づけたように思える。
小泉前首相は時として、ブッシュ大統領と親密すぎる、あるいは従順すぎるとさえ批判されたが、そのような批判はばかげている。小泉前首相はブッシュ大統領の命令でイラクに陸上自衛隊の兵士を派遣したわけではないし、安倍首相もまた、ブッシュ大統領の命令を受けてインド洋上への海上自衛隊艦船やイラクへの航空自衛隊機の派遣を決めたわけではない。
≪安全保障への脅威≫
小泉前首相と安倍首相が十分に理解していることは、日本が北朝鮮によって容易ならぬ安全保障上の脅威に直面し、かつ膨張を続ける不透明な中国の軍事力という現実に直面している事実なのだ。日本は核武装した狂人や中国人民解放軍に単独では立ち向かうことはできないのだ。
小泉前首相は、靖国参拝と、それゆえ日本と中国、韓国との関係を不必要に損なってしまったと批判された。私は、日本の首相には靖国に参拝する権利があり、中国や韓国は政治的動機のみで靖国参拝を批判していると考えるが、安倍首相は北京とソウルへの訪問によって、日中、日韓関係を改善したようだ。さらに安倍首相は、日豪共同宣言に署名することで、両国の安全保障協力を強化した。
だから、私はなぜ日本のメディアが安倍政権をお粗末だと論じるのか、不思議に思っている。もちろん、私は安倍内閣の3人の閣僚が辞任(1人は自殺)したことを知っている。どの場合も、私は適材が任命されたと信じる。しかし、ひとたび問題が起きると、いかに大臣としての能力があったとしても、個人的な問題が職務遂行を不可能にしたことを熟慮した後、更迭されたのである。
≪成功ゆえの苦しみ≫
久間防衛相の辞任は、私が東京にいるときに起きた。しかし、これまでと同様、安倍首相は早まったり、感情的になったりせず、慎重に公正に行動した。そして、安倍首相は辞任を受容する時だと判断したとき、非常に有能な小池百合子氏を後任に選んだ。
私は小池氏がアラビア語や英語を流暢(りゅうちょう)に話すというだけの理由で「有能だ」と言うわけではない。彼女が国家安全保障の専門家で、十分な政治的指導力を発揮していたから「有能」と言うのである。
私は米国テネシー州の我が家に戻り、中高年の人々に日米関係を教えている。学生の1人が私に尋ねた。日本の女性は、今も男性と平等の社会的地位を与えられていないのか、と。私はアメリカにはいまだかつて女性の国防相がいたことはないと答えた。
東京を去るにあたっての私の結論は、安倍首相はこれまでの成功ゆえに苦しんでいるということである。彼は国内経済と外交政策という膨大で重要な問題を非常にうまく処理してきたので、彼を批判する他の理由を見つけるしかないメディアもあるのだ。
年金問題は一過性というより永続的な管理の問題であり、安倍首相はなんとか解決しようとしている。しかし、2001年以来の日本政治の成功に苛立(いらだ)っているメディアもあって、それらは安倍首相の行動のことごとくを失敗とみなすのに忙しいのだ。
私は7月29日の参院選投票日前に、日本の有権者たちが真に重要なことは何かを熟考するように期待する。
(米バンダービルト大学教授、日米研究協力センター所長 James E Auer)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/66580/
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2007-07-17(Tue) 0717 夜から雨。■[watch][komorin][iza]不可解で異様な古森義久氏とジェームス・アワー氏。
もうねー、ひとがちょっとネット環境から離れたとたんにこんな面白いエントリを出してくれちゃって、恨みますよ古森さん。
朝日新聞の倒閣キャンペーンの異様さ
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/224522
朝日新聞の倒閣キャンペーン社説ーー「前のめり」症候を診る
http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/227973
落ち着いたらちゃんと取り上げよう、と思っていたのですが、すでに他の方がたくさんツッコミを入れていらっしゃるので、どうしようかなあ。とにかく、1行ごとになにかしらツッコミどころがあるようなすごいテキストなので、読んでおいて損はないと思います。
まあとにかくここでは、「朝日の安倍政権への攻撃は異様だ、安倍はちっとも悪くない」と古森氏が主張していることをメモしておきます。ついでに、コメント欄で朝日批判はともかく、安倍擁護をしている人はほとんどいないことも。
さて、今日の産経「正論」欄です。
【正論】ジェームス・アワー 不可解な日本メディアの安倍批判
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/66580/
http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070522/1179808856 でもわかるように、アワー氏は古森氏とたいへん仲がよく、家族ぐるみの付き合いがある方です。
この「正論」でアワー氏は、「安倍はちっとも悪くない、批判する方がおかしい」と、ただひたすらに言い続けています。一部を要約すると「閣僚が辞任や自殺をした、それがどうした、安倍に問題はない」だそうで、こんな感じの主張が延々と続きます。こんな文章でも外国人(米国の白人)という肩書きがあるだけで有り難がる日本人がいるんでしょうなあ。主に産経社内と読者層に。
で、お二人の文章を並べてみたわけですが、単に「同じ時期によく似た文章が出てきたものだなあ」というだけで、深い意図はありません。古森氏がアワー氏になにかサジェスチョンしているのではないかとか、さらには代筆でもしているんじゃないだろうかとか、そんなのはただの邪推ですから。
Permalink | コメント(11) | トラックバック(2) | 23:54
http://d.hatena.ne.jp/pr3/20070717/1184684093
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