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(回答先: 自民党から後援会名簿を手に入れた公明創価学会、次は民主党から後援会名簿を手に入れるんだべね・・もし 投稿者 愚民党 日時 2007 年 8 月 02 日 06:11:37)
2007年8月1日
(福岡 政行=白鴎大学教授)
前回のコラムにおいて福岡政行氏は、他の評論家などよりも、自民党に対して厳しい見通しを立てた。そして、結果は福岡氏の見込み通りとなった。自民党の獲得議席数は37で、選挙前に比べ27議席を失う歴史的惨敗を喫した。ただし、前回の展望記事で唯一はずれたポイントがある。安倍晋三首相の続投宣言である。はたしてこの先、自民党はどうなるのか。60議席を獲得し躍進した民主党の動きは? 参院選を総括すると共に、今後の政局について、福岡氏があらためて分析する。
比例区の得票数で公明党が後退。自公連立にすきま風?!
7月29日に投開票となった第21回参院選の結果は、自民党の歴史的大敗。「自民党30議席台、民主党60議席」と、私の予測通りになった。
選挙結果を改めて見てみると、1つ気になるポイントがある。比例区における得票数である。自民党は意外にも比例区での得票数をさほど落とさなかった。選挙戦終盤の週末に、敗色濃厚だった自民党が盛り返しを図った成果と、見ることができる。いっぽう公明党は、比例区における得票数を前回より減らしてしまった。
なんとか大敗を回避しようとした自民党が、自らの票伸ばしに没頭した結果、自民・公明の選挙協力体制に異変が起きた。選挙活動の中で公明党もプッシュし、共に比例区の得票数を伸ばしていく、という協力が機能せず、ツケが公明党のほうに回ってしまった。私はそう見ている。
小泉政権下では完全に近い形で機能したチームワークまでも乱してしまった。それほど自民党は、投票日ぎりぎりまでうろたえ、冷静さを失っていたのかもしれない。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/070801_zokuto/index.html
福岡政行:首相続投宣言で自民党は史上最大の危機を迎える
続投宣言は、支持率の大幅低下とポスト安倍の動きを加速させる
私の予測を大いに覆す出来事が、29日の開票中に起きた。安倍首相が「続投宣言」をしたのだ。
今回の結果は、安倍首相が掲げていた40議席という最低ラインさえ下回るもの。しかも、自民党が1956年から守り続けていた参院議長のポストまで明け渡すこととなる。自民王国と呼ばれる岡山、島根、石川県などでも議席を奪われた。どこをどう見ても、明白な負け。国民は安倍政権に対して「ノー」と言ったのである。
それにもかかわらず、なお「首相を続ける」と発言するのだから、前回紹介したように、やはり「安倍はKY」(関連記事)と言われてもしかたない。
私はこの「続投」について、まだ予断を許さない状況にあると見ている。注目点は内閣支持率だ。「居直り」とさえ受け止められかねない今回の「続投宣言」により、支持率の劇的な低下が起こる可能性がある。
遅くとも今週末までに、マスコミ各社は最新の内閣支持率を調査し、発表するはずである。選挙前の時点で、安倍内閣の支持率はすでに30%台中盤ぐらいにまで下がっていた。これは、サッカーに例えればイエローカードに相当する低さだと、私は考えている。では、近々発表される支持率が20%くらいまで落ち込んでしまったらどうか。これはもうレッドカード。一発退場を宣告されるレベルの数値だ。
安倍首相と共に「KY」ぶりが目立つ今の自民党ではあるが、さすがにここまで支持率が下がれば、党内から「本当に続投でいいのか」、「9月まで内閣改造を待っていては、さらに支持は低下する」という声が上がるだろう。
つまり、今のところ首相の「続投」を受け容れたかに見える自民党も、内閣支持率の低下を引き金にして、紛糾する可能性がある。「内閣改造程度ではダメだ」となり、一気にポスト安倍へ向けた動きが加速する可能性がある。そうなれば、前回も指摘したように、浮上する候補者は麻生太郎外相と谷垣禎一元財務相の2人。新しいリーダーは、蔓延する「KY」を断ち、政策面でも大胆な提言をしなければならない。変わろうとしていることを、行動で示すことができなければ、自民党は結党以来の最大の危機を迎える。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/070801_zokuto/index1.html
政策論争は、より明確に“生活問題”へ
では、躍進して政権奪取の可能性が見えてきた民主党はどう動くのだろうか。初めて参院で第一党となった民主党が、社民党や共産党などと連合すれば議席の過半を占めることができる。多くのメディアが推測しているように、参院に回ってきた法案の審議をことごとくを止めるかもしれない。
しかし私は、「小沢一郎代表はバランスをしっかり考えて行動するはずだ」と見ている。あまりにも強引に国会審議を止めていけば、そのことについて国民から批判を浴びかねない。時には数の力を発揮して、審議にかける時間を延ばす。また、時には国民から共感を得られるような常識的判断を下す。あるいは、自民党案にただ反対するばかりでなく、民主党独自の対案を提示するなどして、次期政権を担える政党としての期待を膨らませるように動くはずだ。
逆に参院で民主党にイニシアチブを握られた自民党も、焦りを見せてはいけない。参院選直後だけに、国民は今まで以上に国会審議に目を向けている。自民、民主双方が、どこまで「強硬さ」と「まともさ」のバランスをうまく取れるか。そこに注目したいと思う。
では、議論のポイントは何になるか。憲法改正などは、しばらくお休みの状態となるだろう。参院選の結果が示したのは「現政権に対するノー」だけではない。「もっと生活レベルの問題を解決してくれ」というメッセージも込められたものだったと私は見ている。生活レベルの問題とは、すなわち年金問題であり格差是正の問題だ。
参院選で民主党は、これまで弱かった農村部で得票を伸ばした。その大きな原因の1つが、「自民党案よりも大胆な農家保障」を提言したことだった。自民党はその民主党案に対して「財源を明確にしていない」などと批判してきたが、もはやそうした主張を繰り返してはいられない。自民党と民主党、どちらが国民の生活に深くかかわろうとしているか。その姿勢を両党共に示さねばならないし、示していくはずだ。
「国民の生活に直結する問題に対する取り組み姿勢」の競争を自民・民主が展開する。その結果次第で民主党への追い風が強まることもあれば、自民が盛り返すこともある。しかし、私自身は、2006年にあった永田寿康氏のいわゆる「偽メール」発覚事件のようなミスを民主党がしない限り、民主党優位の状況がしばらく続くものと見ている。
また、今回の選挙が参院だった点も、自民党にとっては痛い。参院は衆院と異なり解散がない。少なくとも次の改選がある3年後まで、いや今回の当選者が改選となる6年後まで、民主党の参院における数の優位は続く。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/070801_zokuto/index2.html
11月には総選挙もありうる
あらためて総括すれば、今回の参院選は自民党の歴史に残る痛恨の大敗だった。短期的に見ても、中長期的に見ても、今回被ったマイナスをリカバーするのは、並大抵のことではない。そして民主党にとっては、大勝利の選挙だった。今こそ政権獲得に向けた最大のチャンスが到来している。
今後の注目点を整理しよう。自民党について言えば、まず安倍首相の「続投」が実現するのか、それとも総裁選へ突入するのかが最初の注目点。そして劣勢を強いられる国会運営において、「生活問題」にかかわる大胆な政策をどこまで打ち出していけるかどうかが次の注目点だ。民主党については、「参院での優位性をいかに上手に活用できるかどうか」の一点につきる。
しかし、これらの注目点がどのような展開となるにせよ、政局は確実に衆院解散〜総選挙へ流れようとしている。どんなに遅くとも、これから半年以内に総選挙となる公算が大きい。早ければ、この秋、11月に行われてもおかしくはない。自民党には時間がないのだ。今吹いている逆風は、そうとうの強さだ。「今から1カ月後に現首相のまま内閣改造をする」などとのんびり構えていては、とても跳ね返せない。
民主党政権が誕生し、本格的な二大政党の時代がスタートする可能性も十分ある。もしもそうなれば、今回の参院選は日本の歴史における大きな分岐点として記録されることとなる。第21回参院選は、それほど大きな意味を持つ選挙だったのである。
福岡 政行(ふくおか・まさゆき)
1945年 東京都生まれ。1968年 早稲田大学政治経済学部卒業、1973年 早稲田大学大学院政治学研究科で博士課程修了〜明治学院大学法学部非常勤講師、1976年 駒沢大学法学部専任講師、1980年 駒沢大学法学部助教授、1992年 白鴎大学法学部教授(現任)、2002年 立命館大学客員教授(現任)。
「歩く政治学者」を自認し、「現場」へ足を運ぶ姿勢を貫き、テレビ、ラジオなどのメディアでも独自の視点に基づいた政治解説を行うことで名高い。主な著書に『いま、日本にある危機―この国はどこに向かおうとしているのか』(東峰書房)、『手にとるように政治のことがわかる本―選挙・国会・政党を大解剖!』(かんき出版)、『もう首相はテレビ討論で決めよ』(小学館)などがある。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/news/070801_zokuto/index3.html
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