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台風4号と新潟県中越沖地震で参議院選挙の影が薄れた感があるが、それらを踏まえて選挙情勢は日々刻々と動いている。例の『朝日新聞』の第10回連続世論調査(7月14、15日実施)の結果が7月16日の同紙に掲載されていた。当日の午前10時すぎ新潟県中越沖地震の発生が発生した。そのために連続世論調査に基づく最新の選挙情勢について書けなかった。遅ればせながらこの調査に基づいて分析しよう。
まず、安倍内閣の支持率は30%であった。内閣支持率の変化は、43→44→36→30→34→32→31→28→31→30%である。基本的には30±2%という支持率である。今回の1ポイントの低下は、誤差の範囲内である。しかし、重要なことがある。先週木曜日に参議院選挙が公示されて、安倍首相はテレビCMを含めてマスコミ等に圧倒的に露出したにもかかわらず支持率が上昇していないことである。選挙が近づくにつれて無回答が減って、支持・不支持を表明する人が増えてくるのだが、次の述べるように不支持は増えているのに支持が増えていないところが深刻なのである。
内閣不支持率の変化は、33→38→42→49→48→51→48→48→51→55%であった。こちらの方は、最近では安定して50±2%であったのだが、今回の55%は誤差の範囲を超えている。不支持率はこの10回の調査で最高であった。しかも誤差の範囲を突き抜けて55%となった。55−30=25(%)と前回の51−31=20(%)を比較すれば、不支持率と支持率のギャップは5ポイントも広がっている。これは、もう誤差の範囲内とはいえない。選挙区とりわけ1人区で戦う与党の候補者にとって、内閣を支持しない人々が支持をする者の倍近くいるというのは想像を超えるほど深刻なのである。不支持と支持のギャップが30%を超えれば、必ず雪崩現象が起きてくる。今週末の調査(これが多分最後の連続世論調査になるのだろう)を注目したい。
今回行われた調査では、「最近の発言や行動をみて安倍首相の印象がよくなったか」ということを聞いている。『朝日新聞』もなかなかやるものだ。それによると「よくなった」と答えた人が6%だったのに対して「悪くなった」と答えた人が45%にのぼったという。「変わらない」は45%である。国民は深い意味における「巧言令色、鮮ないかな仁」ということを見抜いているのだ。安倍首相のパフォーマンスや自民党の広報戦略がぜんぜん効果を発揮していないということは、自民党や公明党にとってきわめて深刻であろう。まあ、自業自得だからしょうがないネ(嘲笑)。。
私はこれまで世論調査は、『朝日新聞』の連続世論調査しか取り上げてこなかった。私は個々の選挙区の選挙情勢を論じるのではなく、今回の参議院選挙全体の情勢と戦略を論ずることに主眼があったからである。他の報道機関の世論調査でこれを論じてもよかったのだが、毎週実施される『朝日新聞』の連続世論調査が週ごとの変化をみれるので最適と考えたのである。こうした全体の選挙情勢が各選挙区に凝縮されて、個々の選挙区の当落に収斂されてくる。これからそうした世論調査の結果が発表されてくる。昨日は『読売新聞』にこれが載っていた。明日はこれに基づいて選挙情勢を探ることにする。
それでは、また明日。
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