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期日前投票10%増 与党に警戒感も
2007年07月17日23時49分
参院選の期日前投票の出足が与野党の注目を集めている。選挙結果を左右する投票率を占う指標になりそうだからだ。13〜15日分の総務省の中間発表では投票者総数(選挙区)は68万3046人。前回04年の同時期に比べて10.46%増えた。与党内では夏休みとなる29日の投票日の前の投票を働きかけた成果と評価する見方がある一方、「投票率が上がるとまずい」(公明党幹部)との声も漏れる。
中間発表の投票者数は32都道県で前回を上回った。投票者数が2倍以上になっているのは、青森(119%増)、山形(103%増)、群馬(184%増)、富山(157%増)。いずれも1人区だ。しかし、九州各県は軒並み前回を割り込んだ。台風4号の影響で有権者の出足が鈍ったとみられる。
前回参院選では717万人が期日前投票を利用したが、投票率(選挙区)は全国平均で56.57%と戦後4番目の低さだった。投票日の投票が伸び悩んだためだ。一方、期日前投票の利用者が896万人だった05年衆院選の投票率(小選挙区)は67.51%。小選挙区比例代表並立制が実施された96年以降で最高となった。
今回、投票の出足が好調なことについて自民党執行部の一人は「3年前や6年前と比べてどの比例区候補の組織もしっかり運動している。予想以上だ。事務所によっては『期日前投票を済ませましたか』と確認の電話まで入れている」と好意的に見ている。党内には「期日前投票は1000万票を超すのでは」(幹部)との見方も出ている。
一方、公明党も支持者に期日前投票を熱心に呼びかけている。しかし、幹部の一人は、期日前投票の増加が投票率の大幅な上昇をもたらした場合「うちの組織票が劇的に増えるわけではない。激戦区では民主党候補の票が増え、のみ込まれてしまう」と懸念する。
これに対し、民主党の鳩山由紀夫幹事長は記者団に「安倍政権は『投票日が夏休みに入って投票率が下がればいい』という思惑があったが、『そうは問屋が卸さないよ』と怒りの一票を投じた人が結構いるのではないか」と期待感を示した。
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