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政治記事読みくらべ
2007年7月17日
参院選 小沢、菅「総総分離論」
にわかに政権交代熱が高まってきた民主党。7月9日に発表した参院選公約冊子の表紙は、口を真一文字に結びキリッとした表情の小沢一郎代表。冒頭の2ページも小沢氏の38年に及ぶ政治生活を紹介、政権奪取に向け、「小沢」を前面に打ち出している。
もっとも、党内では水面下で、総理(首相)と代表(総裁)をそれぞれ別とする民主党版の「総総分離論」がささやかれている。小沢氏が心臓に持病を抱えているからだ。
民主党幹部が言う。
「参院選を勝ち抜き、近い将来解散・総選挙となれば『小沢を首相に』で戦うことになる。しかし、あの健康状態で激務の首相が務まるのか心配です。その場合に備えて一部議員の間で総総分離を議論しているのは事実です」
これまで何度も代表選に出馬しようと試みた河村たかし衆院議員も「すでに、その動きが出ている。菅直人代表代行が首相に、小沢さんが代表にという可能性はある。私は小沢さんに近いが、もめたら渡部恒三さんあたりが『渡部裁定』で決めるかもしれない」と語る。
菅直人代表代行が東京都知事選への出馬を固辞し、また参院選後の対応について、「小沢代表と同じ行動をしていきたい」と述べたのも総総分離論の可能性を示唆するものと見られている。
これに対し、かつて小沢側近として知られ、3年前に政界を引退した平野貞夫・元参院議員は、「今の小沢は死んでもいい覚悟で政権交代、首相の座を目指している。参院選で過半数に届かなかったら政界を引退すると言い切ったのはその証拠」と反論する。平野氏によると、これまで小沢氏は旧新進党で孤立したときや自自連立から離脱するときなど、
「小沢は『そんなにおれのこと信じてもらえないなら(故郷の)水沢に帰る』と3回ぐらい、本気で政界引退を漏らしたことがあります。いずれも何とか説得し、思いとどまらせたものです」。
今度の政界引退への言及はこれまでの、周囲への失望感、孤立感から来るものでなく、自らの決意を示す、プラス思考のものだという。
小沢氏が「野党が過半数取れなければ政界引退する」と発言した翌日、小沢氏から平野氏に人を通じて、
「あんたなら、おれの気持ち、わかっているだろ」
とメッセージが寄せられたという。
「国民が選べば天命に従う」――そう言い切る小沢氏の決意は並々ならぬものがあるが、健康問題はまた別物である。
読売ウイークリー(外部サイト)
2007年7月29日号
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