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□自民「年金想定問答集」PR会社に丸投げしてた [ZAKZAK]
http://www.zakzak.co.jp/top/2007_07/t2007071301.html
自民「年金想定問答集」PR会社に丸投げしてた
参院選で最大の争点になっている年金問題。逆風にさらされている自民党が都内のPR会社に依頼して、この問題に対する想定問答集を作成していたことが13日、分かった。夕刊フジでは問答集を入手。そこには、マスコミに出すメッセージの例文や野党からの攻撃に対する反論例が記載されている。
想定問答集を作成したのは、東京・渋谷の大手PR会社プラップジャパン。
「PR会社として、自民党のイメージ戦略の参謀的な役割を担っている。自民党が大勝した2005年の総選挙でもPRを担当していた」(永田町有力筋)という。
そんな同社が6月中旬にまとめた問答集は表紙も含めて6ページからなり、当時開会中だった国会への対策と1カ月半後の参院選対策の両面を兼ねているとみられる。中身は大きく3項目に分かれている。
(1)報道を受けての最近の世論傾向と、それに対するメッセージ案
(2)野党の攻撃パターンと与党の反論(案)
(3)与党からの攻撃材料(案)
これらの中でもっともスペースがさかれているのが、野党の攻撃パターンとそれに対する反論例を示した部分。この項目は、さらに3つのパート(原因・責任論、現状認識・誇張した「数字」、今後の対策・制度論)に分かれている。
「自民党が社会保険庁を守ってきた」「民主党が昨年から問題提起していたのに政府与党は放置していた」といった野党からの批判に対しては、≪社保庁解体(改革)案を提示し、非公務員化しない民主党との違いをアピールする≫と提案。
具体的には≪どちらが社保庁に甘いか、厳しいかは法案をみればわかるでしょう。われわれは社保庁を6つの小さな組織に解体して、職員をいったん全員解雇する。(中略)民主党は公務員の労働組合を説得してクビを切れるのですか?≫と反論するとしている。
民主党などの野党にとって労組は大切な票田。問答集は野党の弱みでもある労組の存在を突き、年金批判をかわすべしと説いているわけだ。
政府・与党の社保庁改革は甘いといった批判についても、この反論例で対応するとしている。
また、今回の年金問題では、5000万件(社保庁のコンピューターの中にある記録で、基礎年金番号に統合されていない記録の数)など、いろいろな数字が飛び交っているのも特徴。
問答集では、「半年で200万人中2万人が社保庁に記録がないといわれた」など大きな推定の数字を出して不安をあおるような野党の攻撃に対して、≪根拠のない憶測であることを主張する≫としている。具体的には≪あなたは週刊誌の記者ですか? 政治家なら、根拠のある数字をもとに責任ある対策を考えたらどうですか≫と反論するよう勧めている。
報道に対するメッセージ案では、年金に関する相談を受け付けるコールセンターなどが機能不全に陥り、現行の対応策をしっかりしてほしいという世論に対して、≪(※具体的な数字や事実を示して)国民の不安解消のため、できることはなんでもやる。国民の権利回復が最優先だ≫とのメッセージを送るよう提案している。
このほか、民主党が打ち出した「消えた年金」問題の救済案に対する攻撃方法も伝授。
例えば、「手書きの紙台帳の記録と社保庁のコンピューターの記録を照合したほうがいい」という民主党の提案に対しては、≪紙データの照合は膨大な作業量になる。10年以上かかるのでは?≫と問いつめる、といった具合だ。
この問答集をみた与党関係者は次のように解説する。
「自民党は従来、こうした想定問答集は各省庁に作成させていた。それをPR会社に発注したということは、自民党がそれだけ厚生労働省や社保庁を信用していないということだ」
05年の総選挙で自民党の大勝に一役買ったとされるPR会社が作成した想定問答集。年金問題が最大の争点となっている参院選でもその御利益はあるのだろうか…。
ZAKZAK 2007/07/13
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