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参院選 改革の体制を問う=政治部編集委員・小菅洋人(毎日新聞)
http://www.asyura2.com/07/senkyo38/msg/364.html
投稿者 天木ファン 日時 2007 年 7 月 13 日 08:52:55: 2nLReFHhGZ7P6
 

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/07saninsen/archive/news/2007/07/13/20070713ddm001010026000c.html

 3年前の参院選でも年金は争点になった。制度を作り、維持する政治家の保険料未納が発覚したが、時の首相は「人生いろいろ」と言い放った。

 自民党は敗北したが、この選挙は有権者の怒りをクールダウンしただけで、抜本的な改革論議はそこでストップしてしまった。

 今年、社会保険庁のでたらめな仕事ぶりに国民は驚き腹を立てた。そして3年もの間、制度論議をさぼってきた政治の怠慢に対する怒りに火がついたのだ。

 12日公示された参院選の最大の争点は年金だと言われている。しかし国民の関心の高い記録漏れ問題は、郵政民営化の是非を問うというような、政策選択を迫るという意味における争点とは言えない。

 宙に浮いた年金記録の持ち主を探すための名寄せ作業を急ぐことに異論のある有権者はいないだろう。保険料を支払ったことを証明できない人に、性善説に立って給付することに反対する人もいないはずだ。

 ただ、これまでは負担と給付の根本的な問題に切り込んだ制度改革論議が足りなかった。11日の日本記者クラブの党首討論では財源議論も戦わされ、ようやく制度論争の兆しが見えてきた。

 そういう議論の奥行きを見据えて、どの政党に年金の安心を託すのかという参院選だと言えるだろう。

 言うまでもなく、国政の課題は年金ばかりでない。首相は教育基本法を改正し国民投票法を成立させた。戦後政治を懐疑的にとらえる「戦後レジームからの脱却」は、首相が国民に投げた直球である。

 参院選を乗り切れば自信を深めた首相は憲法改正へ進み、その前段で、集団的自衛権を行使するために憲法解釈の変更に踏み切る可能性が高い。その意味で、真の争点は安倍政治の是非だとも言えるだろう。

 安倍政治への批判が噴き出せば与党は大きく過半数を割る。その場合、今後3年間、参院で野党が反対すれば、法案成立は極めて厳しくなる。そうなれば政界再編は避けられないだろう。

 今後の改革を自公連立の安倍政権に託すのか、別の枠組みの政権に期待するのかという選択でもある。

 東京・秋葉原での安倍晋三首相の第一声を聞いた。集まった聴衆には前任者に対するような熱狂は感じられなかった。小泉劇場の熱気が去り、落ち着いた選挙が戻ってきたとも言える。投票日まで2週間余り。じっくりと安倍政治を吟味する時間にあてたい。

毎日新聞 2007年7月13日 東京朝刊

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