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7月11日付
米軍、沖縄で枯れ葉剤 散布量など全容明かせ
米軍はベトナム戦争で、猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤を散布、先天性異常児などが多発した。その枯れ葉剤が沖縄で散布されていたという驚くべき事実が明らかになり、沖縄に衝撃が走った。どの範囲なのか。人体、環境への影響は。対策が急務だ。
ベトナム戦争で米軍に立ち向かった南ベトナム解放民族戦線は、敵の視界がきかない密林を拠点にした。そのため米軍は密林を枯らしてゲリラをあぶりだすことを目的に枯れ葉剤を大量に散布した。
猛毒であるため、散布地域ではがんや先天性異常児、流産、死産という深刻な健康被害が多発。帰還兵にも被害が出ている。ベトナムで結合双生児として生まれた「ベトちゃんとドクちゃん」の悲劇は、日本でも広く知られているが、これも米軍の枯れ葉剤の影響とみられている。
ダイオキシンは自然分解されにくく、一般に汚染は長期間続く。現に、米軍が枯れ葉剤を集中的に散布したベトナム中部の一部では今も高濃度のダイオキシンが検出される。
その危険な枯れ葉剤を1961年から翌62年にかけて、米軍が沖縄の米軍北部訓練場などで散布、作業に携わった元米兵が前立腺がんの後遺症を認定されていたことが米退役軍人省の公式文書で明らかになった。米軍による沖縄での枯れ葉剤使用、貯蔵がはっきり裏付けられたことになる。
米軍が沖縄に枯れ葉剤を集積、ベトナムへの運搬基地としていたことをうかがわせるもので、ベトナム戦争の枯れ葉剤作戦に日本の基地が重要な役割を担わされていたことも明らかになった。
元米兵は枯れ葉剤が入ったドラム缶の輸送やドラム缶に枯れ葉剤を注入する作業のほか、訓練場内とその周辺の道路脇の雑草除去のために散布を行った。
この元米兵が沖縄に駐留したのは1961年2月から62年の4月まで。米軍がベトナムで散布したのは61年から約10年間で、この元米兵以外にも沖縄で散布が行われた可能性が指摘されている。散布の範囲の特定をまず第一にやらねばならない。
米軍が沖縄に枯れ葉剤を貯蔵していたとの指摘はこれまでにあったが、公式に明らかになったことで事態は急転した。「枯れ葉剤散布は聞いたことがないだけに被害が恐ろしい」。「汚染の程度や健康被害が分からないことが不安」と動揺が広がっている。
ダイオキシンの特性からみて、現在でも一帯の土壌に残留している可能性もある。汚染があるのかどうか。環境調査と周辺住民の健康調査を求める声が上がるのは当然だ。
しかも本島北部は、人口が多い島の中南部へ水を供給する複数のダムがあり、沖縄県民の水がめ。ダムに流れた可能性はないのか。果たして水質は大丈夫なのだろうか。
米軍基地内で何が行われているのか、分かりにくいことが県民の不安を増幅する。しかし、枯れ葉剤は長年封印されてきた問題だけに不明なことばかりだ。住民の不安を早期に解消せねばならない。
米軍は枯れ葉剤の危険性を十分認識していたはずだ。それなのに散布したのは、沖縄県民の安全を軽視したからではないのか。それともベトナム戦争への実験であったのか。いずれにしろ責任を厳しく問わなければならない。
沖縄の人々の健康と安全にかかわる深刻な問題だ。対策を円滑に進めるためにも、米軍は貯蔵場所、使用量などの情報をすべて開示する義務がある。(上杉芳久)
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