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http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20070710.html#no_1
社説(2007年7月10日朝刊)
[米軍枯れ葉剤使用]
早急に実態を調査せよ
知花弾薬庫でVX神経ガスのガス漏れ事故が発生し、作業をしていた米兵など二十四人が病院に収容された―との衝撃的なニュースが伝わってきたのは、復帰前の一九六九年七月のことであった。
米紙ウォールストリート・ジャーナルの報道によって、米軍は初めて、マスタード、GB、VXなどの毒ガスが沖縄に貯蔵されている事実を認めた。ベトナム戦争さなかの出来事だ。
当時の新聞は「空にB52 海に原潜、陸に毒ガス。天が下に隠れ家もなし」と、住民の安全をないがしろにした軍事優先の米軍統治を強く批判した。
だが、貯蔵されていたのは核兵器や毒ガスだけではなかったようだ。猛毒のダイオキシンを含む枯れ葉剤が六一年から六二年にかけて、北部訓練場などで散布されていたというから驚きだ。
沖縄での枯れ葉剤散布などによって前立腺がんにかかったとの元米兵の申し立てに対し、米退役軍人省はダイオキシンを浴びた可能性を認め、作業に携わった元米兵の後遺症を認定したという。九八年一月十三日付の同省の公式文書で明らかになった。
元米兵が沖縄に勤務していた六一年から六二年にかけての時期は、米軍がベトナム戦争に介入し、枯れ葉剤を使用し始めた時期と重なる。
米軍はその後、ゲリラをジャングルからあぶり出す目的で、おびただしい量の枯れ葉剤をベトナムの密林や水田などに散布した。
その結果、密林が死に絶え、ベトナムの住民だけでなく、米国のベトナム帰還兵の中にも、がんなどの健康被害を訴える人たちが続出した。
結合双生児として産まれたベトちゃんドクちゃんに象徴されるように、今なお続く健康被害、環境被害の深刻さは、二十世紀の国家犯罪ともいえる様相を呈している。
北部訓練場ではかつて、ダムの湖水面を利用した訓練が行われているが、枯れ葉剤の散布が行われたとすれば由々しい問題だ。ダイオキシン残留の可能性がないかどうかを含め、早急に事実関係を調査すべきである。
米軍の関係部局は、元米兵の申し立てに対し、「沖縄でダイオキシン使用を確認する文書はない」と回答したという。
今回も同じような回答が予想される。だが、記録文書がないから確認できないというだけでは住民の不安は解消されない。基地を提供している政府と、当事者である米軍の誠実な対応を求めたい。
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