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(回答先: 新聞広告の件についてー私の結論【天木直人のブログ 7/9】 投稿者 天木ファン 日時 2007 年 7 月 09 日 22:26:16)
2007年07月09日
私はあなただ、あなたは私だ(24)
あこがれのアメリカと戦争国家のアメリカ
中学一年生のとき、初めて手にした英語の教科書が私をアメリカにいざなった。子供心にアメリカに憧れ、英語だけは一生懸命勉強した。思春期になりアメリカ映画にあこがれた。アメリカのまぶしさは膨らんで行った。アメリカへ行きたい、その一心が私を駆り立てた。運良く外交官試験に合格した私は、英国留学を断ってアメリカでの研修を希望した。初めてサンフランシスコの地に足を踏み入れた時の感動を今も鮮やかに覚えている。21歳の時であった。アメリカの学生生活は今でもわが人生の最良の時だったと思っている。
それ以来何度もアメリカには足を運んだ。デトロイトという中西部の都市に日本の総領事として勤務もした。金持ちのアメリカ人とも貧しいアメリカ人とも、そして典型的な中流家庭のアメリカ人ともつきあった。当然のことながらアメリカを一言で語ることはできない。アメリカ人を理解し、アメリカ人に理解される事が容易ではない事はアメリカで生活したことのある者なら誰しも知っている。それほどアメリカは大きく、ふところが深い。とてつもなく善良で、しかし耐えられないほど攻撃的な国だ。こちらが近づいていけば限りなく優しく、こちらが敬遠するとどんどんと離れていく国、それがアメリカだ。そして、そんなアメリカが私は好きだ。
しかしそのアメリカは同時に世界最大の戦争国家である。建国以来アメリカという国は戦争し、占領を続けて国境を拡大してきた。そのアメリカが、9・11事件以来今までとは異なった最後の戦争を戦っている。「テロとの戦い」という名の下に、常に戦争を戦い続けなければならない国となった。我々はこの事をよく認識しなくてはならない。今まさに戦争を継続しているアメリカを、我々は決して甘く見てはいけない。戦争をしている国は戦争に勝つことをすべてに優先する。そんな国との同盟関係を強めるという事がどういう意味を持つか、政府も官僚もよく考えるべきだ。この国の指導者や官僚は、日本国民の事を本気で考えるべきだ。自らの政権欲や出世のために国民を裏切ってはいけない。真剣に対日関係の見直しを考えるべき時なのだ。
私が強調したいことは、米国の戦っている「テロとの戦い」の本質が極めて危険で深刻な戦いであるということだ。それはイスラエルのシオニストとアラブの戦いであるということだ。軍事力で圧倒的に優勢に立つ米国・イスラエルによるアラブ支配と、それに対する反米・イスラエルのアラブ武装抵抗の戦いだ。それは最後の一人になっても止まない自爆テロと、そのテロを根絶しなければ安心できない米・イスラエルに象徴される非対称的な、終わりのない、残酷な戦いである。このまま行けば未曾有の惨劇を人類は目にする事になる。何があっても日本はかかわってはいけない。
米国・イスラエルとはアラブの武装抵抗の究極の戦いは、日本の安全保障とっては何の関係もない。それに巻き込まれる事は世界の平和に貢献することでも何でもない。ただひたすらに米国に従属することだ。それはサンフランシスコ講和条約によって西側の一員としての道を選び、同時に日米安保条約を結んで日本の共産化を防いだいわゆる日米安保体制下における日米軍事同盟とは何の関係もない、まったく新しい対米従属の軍事協力なのである。米国の戦争に対する一方的な日本の戦争協力なのである。それが二米軍再編に対する協力というものだ。小泉前首相が約束をし、安倍首相が引き継ごうとしているあらたな対米軍事協力の実態である。
災い転じて福となすという言葉がある。米国がこのように不当で、危険な、まったく新しい戦争を始めた今こそ、日本は米国との同盟関係を見直す絶好のチャンスを得たと言えるのだ。戦後62年間悩まされ続けた在日米軍基地問題を根本的に変えられるチャンスなのである。
このような歴史的転換期にありながら、米軍再編への協力に無条件に突き進もうとしている日本政府の対応はあまりにも誤っている。それは日本をもはや引き返すことが出来ないほど米国に従属させてしまうことだ。日米安保体制がもはや米国の側から不要とされているにもかかわらず、政府や官僚はそれを国民に説明することなく、あたかも日米安保体制は普遍であるとばかりに日米軍事同盟を強化している。その実態が、すでに何度も繰返しているとおり、完全な対米従属の軍事協力であるにもかかわらず。いまこそ我々は政府に米軍再編へ突き進む事を踏みとどまるよう要求しなくてはならない。明日のブログでは、この米軍再編への協力を拒否することこそ、自由で自立した日本を取り戻す、唯一、最善の外交である事という私の主張を述べる。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/07/09/
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