★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK38 > 110.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
□安倍離れくすぶる自民 [AERA]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070709-02-0101.html
2007年7月9日
安倍離れくすぶる自民
年金問題で政権は大揺れ。でも、批判の声があんまり聞こえない。
右から左まで抱え込んでいるのが、この党の良さ、のはずだったのに。
「今こそ保守に基盤をおいた、リベラルの理念の旗を掲げることが必要だ」
加藤紘一自民党元幹事長が自著『強いリベラル』の出版記者会見で熱く語る横には、後藤田正純、古川禎久両衆院議員の姿があった。
同書で加藤氏は、行きすぎた市場原理主義は日本人を利己的にし、日本の地域社会を壊したと主張。会見では安倍政権をこう批判した。
「学校選択制など教育への市場原理が検討され、法人税減税の方向が出されるなど、経済優先だ」
あえて参院選の前に声をあげるのは「自民党がやせ細ってきた」との危機感からだという。
首相責任論は即火消し
「自民党に多様な意見があるというイメージが薄れ、細い一本の主張になったといわれる。自民党にも市場原理主義一本やりでない人間がいるとアピールすれば、選挙にもいい影響をもたらすだろう」
同席した2人のうち後藤田氏は、消費者金融のグレーゾーン金利撤廃に取り組み、加藤氏の著書の中でも「『強いリベラル』のひとり」として紹介されている。
異色なのが古川氏だ。親安倍とされる議員が多く名を連ねる「価値観外交を推進する議員の会」に参加、首相の靖国参拝を支持する「平和を願い真の国益を考え靖国参拝を支持する若手国会議員の会」の事務局長を務めた。
「安倍首相は個人的に尊敬している」と前置きし、古川氏は続けた。
「加藤氏が訴えていることは日本の保守精神の原点だ。本当の保守政治が失われかけている」
選挙直前ということもあり、自民党内では支持率が落ち込んだ安倍政権を批判する人は少ない。青木幹雄参院議員会長や自らの選挙を控える舛添要一参院議員は、参院選で敗北した場合の安倍首相の責任論に言及したが、中川秀直幹事長はじめ、党内からは即、火消しの声が起きた。
むかし右翼はいま中道
かつて自民党が危機的な状況に陥ったときには、若手や中堅が声をあげた。「経世会支配脱却」を旗印に掲げたYKK(山崎拓元幹事長、小泉純一郎元首相、加藤氏)しかり。リクルート事件の88年には武村正義氏が中心の「ユートピア政治研究会」、91年には石破茂氏らを核に「政治改革を実現する若手議員の会」ができて、自民党分裂、政権交代への源流となった。
その石破氏は、
「現在の自民党にはそういうエネルギーを感じない」
と、本誌の取材に語る。
「当時、倒閣という意識はなかったが、自民党には自浄作用があって、若い人たちは幹事長室にどなりこむなど、ある意味、恐れを知らないところがあった。だが党内の圧倒的勢力の83人の安倍チルドレンは体制批判にまわらない。さりとて期数が上がっても、嫉妬とか危機に乗じて自らの野心を果たさんとするポスト狙い、と思われるのがいやだと黙ってしまう」
自民党の幅が狭くなったという懸念は石破氏にも共通する。
「麻生外相とよく話すんだけど、『かつてお前やおれは右翼だった。それが今や中道といわれるこの世の中は何なのか』と」
加藤氏は選挙後には党内の「声なき声」が表面化すると期待するが、ある三役経験者は懐疑的だ。
「就任してまだ1年もたたない安倍首相は負けても政権の座にしがみつくだろうし、自民党のピラミッドの半分以下を構成している苦労知らずのチルドレンたちは声をあげるだろうか」
参院選の勝敗はどうあれ、自民党がこの閉塞感を打ち破れるのか。
編集部 秋山訓子
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK38掲示板
フォローアップ: