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政治記事読みくらべ
2007年7月6日
社会保険庁解体が招いた安倍内閣バッシング=田原総一朗(ジャーナリスト)
大量の年金記録が誰のものかわからなくなっている問題で、マスコミは「消えた年金」等と社会保険庁と安倍晋三政権を批判している。この問題の責任者探しが始まっているといっていいだろう。
これについて安倍さんにはまったく責任がないと思っている。なぜなら、この問題は一九五七年から始まったことだからである。歴代首相がすべてかかわっている。なぜいま、年金問題が表面化したのかを冷静に考えてみれば、安倍内閣が社会保険庁の解体、民営化を決めたからである。それに対して、社会保険庁の官僚は、官僚でいたいため、解体民営化に断固反対している。
小泉(純一郎前総理)さんは運がいいといわれる。小泉内閣で年金問題が噴出したら大変だったという論調だ。ところが、安倍内閣で「社会保険庁の解体」を打ち出したので、社会保険庁は一丸となって大反対。社会保険庁改革関連法案を廃案にするため、参議院選挙で自民党に大敗させ、安倍さんを退陣に追い込もうと画策している。それに執筆時点では国会審議されている公務員制度改革法案が絡んでいる。おしなべて官僚は公務員制度改革法案に大反対だから、社会保険庁だけではなく、厚生労働省、財務省等の官僚も安倍政権に退陣してもらいたいと、民主党やマスコミに安倍政権の人気が下降するような情報を流している。
グッドウィル・グループ「コムスン」の脱法行為の摘発も、官僚がいなければ「こんな悪事がまかり通りますよ」という官僚有用論と見える。緑資源機構の官制談合事件に絡んだ松岡(利勝前農水相)さんの自殺も安倍内閣の人気低下につながっている。おまけに朝鮮総連本部の話まで出てきた。
結局、世間は権力サイド(自民党内、政権内)からの犠牲者を求めている。誰かが人身御供にならなければいけない状況にある。
一方、安倍政権の敵は民主党ではなく、自民党である。民主党が敵であればいかようにも手が打てる。ところが、自民党内に「安倍を潰したい」という勢力がいるが、親安倍派と反安倍派の思惑はなぜか一致している。人身御供になれるのは総理しかいないが、親安倍派にはこんな構想もある。安倍総理が退陣して、無難な人物を総理に据えて暫定内閣をつくる。落ち着いたところで、安倍総理復活という目論見である。反安倍派は政権を潰せばいいというだけだが、どちらも一度は安倍退陣でいいという考え方である。
参議院選挙で自民党が四十七議席を下回った時に、こうした親安倍派と反安倍派の思いが合致する図式が考えられる。四十七議席を下回れば参議院で与党は自民党、公明党、国民新党を加えても過半数は取れないからである。四十七議席を取れなければ安倍総理は人身御供となる。人身御供とならないために、安倍さんは一発逆転のホームランを打てるか。かつて、小泉さんは郵政民営化法が参議院で否決された時に「衆議院の解散総選挙」に打って出た。そして見事な演説を行って、自民党を圧勝に導いた。そんなことを安倍さんができるかどうかに、安倍さんの今後がかかっている。
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