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9か月で3閣僚交代の異常事態
<久間防衛相辞任>論功行賞のツケ?…後手に回る首相対応
7月3日20時19分配信 毎日新聞
久間章生防衛相が原爆投下に関する発言で引責辞任したことで、安倍内閣は発足からわずか約9カ月で3人の閣僚が交代する異常事態となった。論功行賞で起用した閣僚が問題を起こし、安倍晋三首相が擁護するパターンが今回も繰り返されたが、最後は参院選への影響などを憂慮した与党の包囲網に辞任を余儀なくされた。久間氏をかばって対応が後手に回った首相の判断と任命責任が改めて問われそうだ。
久間氏は、昨秋の自民党総裁選で出身の第2派閥・津島派の独自候補擁立を阻止し、首相の大差での総裁選出に貢献した論功行賞で2度目の防衛庁長官(当時)として入閣。今年1月の防衛庁の省昇格で初代の防衛相となった。
だが閣僚就任後の久間氏は、イラク戦争について「日本は政府として(イラク戦争を)支持すると公式に言ったわけではない」、米軍普天間飛行場の移設を巡っては「(米国は)あんまり偉そうに言ってくれるな」と語るなど、「問題発言」が相次いだ。
佐田玄一郎前行政改革担当相は事務所経費の不透明な処理の発覚で昨年末に辞任、松岡利勝前農相は資金管理団体が高額な光熱水費を計上していた問題で批判を浴び5月28日に自殺した。両氏とも久間氏と同じように総裁選時の論功行賞で入閣し、首相が擁護した末に、佐田氏は辞任、松岡氏は自殺という結末を迎えた。「女性は産む機械」発言で辞任が取りざたされた柳沢伯夫厚生労働相も論功行賞人事での入閣組だ。
首相は「久間発言」について周辺に怒りをあらわにし、「右からも左からもたたかれる発言だ」と弁解の余地はないとの認識を示していた。にもかかわらず首相は6月30日の久間発言の直後には「米国の考え方の紹介」と問題視しない姿勢を見せ、翌日には一転して「国民に誤解を与える発言は厳に慎まなければならない」と軌道修正。さらに首相が2日、久間氏を首相官邸に呼んで叱責(しっせき)した後は、官邸には一件落着ムードさえ漂った。こうした対応の混乱ぶりには政権の危機管理能力も改めて問われそうだ。
問題発言で閣僚が引責辞任するのは、小渕内閣で00年2月に越智通雄金融担当相(当時)が金融検査の「手心」発言で辞任して以来。また小泉政権の5年5カ月間で辞任した閣僚が4人だったのに比べると、安倍内閣の9カ月間ですでに閣僚辞任が2人、自殺による交代が1人というのは、かなりのハイペースといえる。【佐藤千矢子】
最終更新:7月3日20時19分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070703-00000095-mai-pol
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