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“事件”忘れちゃいけない 有権者の怒り ユーモアで表現【東京新聞】
2007年7月3日 夕刊
六月下旬、大阪の「政治資金オンブズマン」の代表、阪口徳雄弁護士に東京地検の事務官が電話でこんなぼやきを漏らした。「先生、あれ、もう消してくれませんか」
「あれ」とは、生前の松岡利勝前農林水産相と秘書を政治資金規正法違反罪で訴える東京地検あての告発状のことだ。
阪口弁護士らはオンブズマンのホームページに告発状を載せ、印刷して松岡前農相らを告発するよう呼び掛けてきた。その結果、前農相の自殺(五月二十八日)後に届いたものも含め、六月半ばまでに三百数十通が地検に殺到した。
元労働相(当時)らが逮捕された二〇〇〇年のKSD事件で、同様に政治家の告発を呼び掛けた時は、約六十通だけだった。事務官のぼやきは、あまりに多い告発状の処理に困って出たらしい。
「実際に告発するには住所、氏名、押印が必要で、匿名での批判と違って非常に重い行動だ。これだけの人が告発したのは、政治とカネの問題への怒りが極限にまで高まっている証拠では」と阪口弁護士は言う。
一方、ブラックユーモアで松岡前農相の問題を風刺するなど、政治とカネについての有権者の怒りを表現するケースもある。
さいたま市の情報技術関連会社勤務の男性(37)は、「議員会館のナントカ還元水」と記したペットボトル用ラベルをインターネット上で配布中。原材料名は「血税、無料の水」、採取地は「(前農相が使用していた)衆議院第一議員会館204号室」、希望小売価格は「五百ミリリットル 五千円」という具合だ。
五月の公開から三千以上のアクセス数を記録。「遊び心もあったが、国会答弁で『ナントカ還元水』なんて言い訳するのは、普通の市民感覚と違うでしょ」と男性は制作動機を語った。ネット上ではこのほか、オークションでパロディーの「還元水」が売り出され、掲示板には「国会議員パーティーの水割り用に使いたい」といった皮肉が飛び交った。
昨年の架空事務所費問題による佐田玄一郎前行革担当相の辞任以来、政治とカネの問題は参院選の争点としてあらためてクローズアップされている。
「架空ではない」と強弁し、辞任会見を十二分間で打ち切った佐田前行革担当相。違法献金疑惑をめぐって角田義一前参院副議長は「惻隠(そくいん)の情を持って」と逃走。説明責任を果たさない政治家たち。国会では政治資金規正法が改正されたが、五万円以上の経常経費の支出に領収書を付けるという“常識”を義務化しただけだ。
「還元水」ラベルを作った男性は言う。「日本人はすぐに事件を忘れ去る癖がある。これからの季節、このラベルをペットボトルに張ってナントカ還元水のことや政治の闇の部分を忘れないようにしたい」
(大村歩)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007070302029280.html
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