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http://www.kiyomi.gr.jp/blog/2007/07/03-1336.html
安倍総理が強引に決めた会期延長。あと二日を残すところで、久間防衛大臣が辞任しました。
久間大臣とは、防安保委員会で激しい議論を重ねてきました。
イラク戦争の開戦を「判断が間違っていた」といったり、ミサイル防衛システムについては「他国に飛んでいくミサイルを追っかけていって打ち落とすのは難しい」といってみたり。重心の低いところもある大臣でした。
ただ一方、自衛隊艦船の辺野古への派遣に対して「札幌の雪祭りと同じだ」などとトンデモない発言をすることも。今回の発言は、あまりの無神経さに耳を疑いました。原爆で家族や知人をなくした多くの人々、いまも後遺症で苦しむ多くの人々に、「やはり政府はわかっていなかった」と新たな痛みを与えるもの。決して許されるものではありません。
私は、この一連の展開をめぐり、安倍総理は三つの間違いを重ねたと思います。
一つ目は、久間大臣をかばったこと。
日本中が衝撃を受けた「しょうがない」発言にも、「米国の考え方を紹介した」と問題視しませんでした。与党内部で「これでは選挙を闘えない」という声が強まり、久間大臣自身が謝罪したあとも、「国民に誤解を与えないように」と注意するだけ。久間大臣以上に、安倍総理は分かっていないことが、分かってしまったのです。
二つ目は、久間大臣を先に更迭しなかったこと。
久間大臣は辞任の記者会見で「(安倍総理は)いきどおっていましたか?」との記者の質問に「そんなことはない」「辞任を求められていたわけではない」と安倍総理をかばっていましたが、逆でしょう。安倍総理は激怒して、久間大臣を更迭すべきでした。
さらに、ウィニーによる情報流出などで批判が相次いでいた防衛庁を、むりやり「防衛省」にしたのは安倍総理だということも忘れてはなりません。安倍総理は「シビリアンコントロール(文民統制)に対する自信を内外に示すことになった」と誇らしげに述べていましたが、初代の防衛大臣が軍人さながらの戦術論で「原爆容認」ともとれる発言をしたこと、同じ大臣が自衛隊艦の派遣に対し「自衛隊法の法的根拠はいらない」と明言したことをどう考えているやら。
そして三つ目は、安倍総理の歴史観が浮き彫りにされたことです。
いまでもアメリカでは、広島と長崎の原爆投下を支持する声が多いのです。私の手元にある米国内の調査では、実に57%が「支持」と回答。その背景には、真珠湾攻撃がなかったら原爆もなかった、とする考えがあるのです。思い切って簡略化すれば、真珠湾攻撃×、原爆○(しょうがなかった)。
一方、一部の日本の人々は、真珠湾攻撃は「仕方なかった」という立場をとっています。アメリカを中心とする「ABCD包囲網」による経済封鎖で、戦争を仕方なく始めさせられたとするもの。靖国神社の遊就館には、こうした歴史観にもとづく展示パネルが飾られていました。こちらは、真珠湾攻撃○(しょうがなかった)、原爆×。
安倍総理が、「米国の考え方」といったことは、この二つの対立する歴史観が頭にあったと思われます。その意味でも、安倍総理が久間大臣に「いきどおら」ず、問題視しなかったことは、後者の歴史観を標榜する安倍さんのとりまきの間で問題視されたに違いありません。でも、「米国の考え方を紹介した」としかいわずに久間大臣を更迭したら、今度はアメリカから批判の矢が飛んでくるかもしれません。
安倍さん、もうひとつの考え方をご紹介します。それは、どちらも×。「しょうがない」殺人なんてありません。安倍さん、いっしょにどちらにも×をいいましょう(まさか、両方○はないですよね)。
それが出来ない場合は、究極の判断保留――参議院選挙で国民の審判がくだされる前に、自分で自分を更迭する、という選択しかないと思います。
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