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2007年07月03日
拉致問題をめぐる二つの発言に思う
7月3日から読売新聞は「拉致被害者家族会の10年」という特集記事をはじめた。その第一回の今朝の新聞では横田夫妻の事が書いてあった。
「こんなに一生懸命やっているのに、どうして解決しないのでしょうか」。これは5月15日に「めぐみさんの救出を願う米国のフォーク歌手が来日した時の記者会見で、めぐみさんの母、早紀江さんが、突然報道陣にぶつけた質問であるという。
横田夫妻の講演会は昨年夏までに47都道府県すべてで開かれ、1000回を超えた。「めぐみはすぐ帰ってくる」と思った家族会発足当時の5年前にくらべ、「拉致問題は解決済み」と北朝鮮から言われて手も足も出ない今日に至るまで、拉致被害者の家族は政府、官僚の不誠実な外交に翻弄され続けた。心労の連続の毎日の中、残りの人生を消耗させて行った。それを思うと気の毒でならない。
その一方で同じ頃に行なわれた山崎拓氏と田原総一郎氏の対談が7月13日の週刊朝日に掲載されている。そこで語られる次の言葉は、あまりにも傍観者的だ。拉致家族の苦しみに対する冒涜ですらあると私は思う。
田原 (被害者全員が生還するまで一銭も出さないというのでは六か国協議で日本はますます孤立する。全員生還するなどということは)ありえない?
山崎 顰蹙を買うのを承知の上でいえば、残念ながらありえないでしょう。現実がそうであれば仕方ありません。
田原 (それでは日本政府がこれまで主張してきた解決策は)一種のフクション(つくり話)でしょう。拉致被害者全員が生きているというのは考えにくい。このフィクションをリアルに変えた戦略が必要じゃないですか。
山崎 そうです。
田原 小泉さんと二人で行く可能性は?
山崎 いや、その可能性は少ない。小泉前首相はこの問題に改めて深入りするのは気が進まないようです。今は歌舞伎を見るほうがいいんでしょう(笑い)。
田原 (小泉さんは)次のドラマを仕掛けようとしているのでは?
山崎 そういう意欲は感じられません。今は魂も休息期間に入っていますから(笑い)。
この二つの言葉のあまりの距離の大きさに、私はめまいがするほどの悲しさと腹立たしさを感じる。小泉前首相は勿論、政府や政治家、マスコミ関係者にいたるまで、拉致問題を本気で解決する気迫がまったく感じられない。それどころか拉致被害者は死んでいる事を知っているかのごとくだ。だから拉致問題の徹底究明などに固執せずに、より重要な北朝鮮の非核化と国交正常化に向けた外交に転じるべきだと主張する。
ならば拉致家族にその事実をはっきり伝えるべきではないか。そしてそれを明確にした上で拉致家族の気持ちに沿った交渉を北朝鮮とすすめるべきではないのか。
その勇気もないまま、無責任な発言を繰返す。小泉前首相に至っては、パフォーマンス外交が失敗し、総理を辞めた今となってはもはや一銭の得にもならないこの問題に、完全に逃げ惑っている。政治家の風上にも置けない連中だ。そんな政治家に迎合する田原氏はジャーナリストの仮面をかぶったただの権力追従者だ。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/07/03/
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