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□比例票めぐり自公が「タコの共食い」 その現場―― [読売ウイークリー]
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070703-01-0202.html
2007年7月3日
比例票めぐり自公が「タコの共食い」 その現場――
参院選の選挙区での支援を見返りに自民が公明に比例票を回す協力図式が、1人区を中心に選挙戦の激化でハレーションを起こしている。「これではタコの共食い」――そんな悲鳴が聞こえてくる。
鳥取県境港市で6月16日、鳥取県選挙区に自民党から出馬する現職の常田享詳参院議員の国政報告会が開かれた。同選挙区は参院選の注目選挙区の一つ。2005年の郵政政局で造反した川上義博・前自民党衆院議員を、民主党の小沢一郎氏が党を超えて一本釣りして民主党候補として擁立し、激しい前哨戦が繰り広げられているためだ。
同市は川上氏の衆院議員時代の地盤であり、常田氏としてはなんとしても切り崩したいところ。そのため報告会には隣の島根県選出で水産界に強い影響力を持つ参院自民党のドン、青木幹雄議員会長も駆けつけ、水産業界からの票おこしに懸命となった。しかしこの日、どういうわけか、常田陣営はピリピリし、テレビ局のカメラクルーも閉め出された。
自民党は今回、比例選に初めて水産界(全国漁業協同組合連合会)から漁師の丸一芳訓氏を擁立した。本来ならこの場は、丸一氏が選挙区の常田氏と二人三脚で支持を訴えるべきだ。ところが、出席したのは公明党の山本博司氏で、比例選では山本氏への投票を訴えたのである。
公明党は今回、選挙区での候補者擁立を五つ(東京、埼玉、神奈川、愛知、大阪)の複数区に絞り、比例選は8人の候補者のうち7人を全国に地域割りして全員当選を目指している。参院比例選の過去最高得票を記録した04年選挙の約862万票からさらなる上積みが目標だ。
そのため、前述の山本氏らは割り当てられた地域の集会に、自民党関係のものも含めてこまめに顔を出している。
自公の選挙協力は、公明の連立政権参加(1999年)以降、続いている。基本は「公明が選挙区で自民候補を応援する見返りに、自民党候補が比例選で公明への投票を呼びかける」。
自公の連立は8年目に入り、この間、国政選挙は5回(衆院3回、参院2回)行われた。もはや自民党は公明票のサポートがなければ政権維持もままならない。
とりわけ、与党には今回、年金問題への対応のまずさから逆風が激しい。そのため、選挙戦の勝敗を決める1人区を中心に、自民党候補者は従来以上に公明党の協力を得ようと、「選挙区は自民の○○、比例は公明に」と訴えるケースが増えている。
しかし、自民党も比例選候補を抱えている。「比例は公明に」とやりすぎると……。
自民党の閣僚経験者が嘆く。「タコは腹が減ったり、極端にストレスがたまると自分の足を食うというが、いまの自公は比例票をめぐって共食いしているようなものです」
現場では、どんなハレーションが起きているのか。九州選出の自民党衆院議員は、公明党から渡されたパンフレットの大きな束を見てため息をついた。
公明党は比例選で木庭健太郎参院幹事長を擁立しており、木庭氏のパンフレットを渡されて協力を求められたのだ。九州地区では1000枚単位で、中には1万枚ものパンフレットを渡された衆院議員もいるという。
「私の選挙区(衆院小選挙区)に配れとのことですが、パンフレットには紹介欄など支援者の名前を書き込む欄があり、その回収も要請されました。後援会に配って回収すれば、事実上、後援会名簿を渡すことにもなります。自分の選挙では公明党に大変世話になっており感謝しているのですが――」
公明党が九州地区の比例選で目指すのは、計110万票の得票。創価学会など自前の組織票に加え、自民党衆院議員からの票も当て込んでいるのだ。前出の衆院議員が続ける。
「リーフレットの回収まで求められ、それによって、『次の衆院選でどれだけご協力できるか考えたい』と、やんわり言われました。ノルマを課せられ、働きを評価されるようです」
両党のギクシャクぶりは特に九州で表面化している。
今回、自民党は衆院大分1区を選挙区にしていた衛藤晟一・前衆院議員、夫が同宮崎1区選出の中山成彬・元文相である中山恭子首相補佐官が比例選に立つ。いずれも九州地区での得票を目当てにしているため、両党間のすきま風は強い。
衛藤氏は、自公の協力関係が崩れるのを嫌った自民党執行部から大分での選挙活動自粛を求められて、住民票は大分から福岡へ、さらには東京に移さざるを得なかった。6月27日には福岡市内で決起大会を開いたが、肝心の本人は欠席。
関係悪化を懸念した党本部から「出るな」とクギを刺されたからだ。中山恭子氏も6月24、25日の両日、成彬氏と宮崎入りしたが、地元の公明党県本部から反発の声があがった。
ハレーションは九州だけではない。衆院栃木1区選出の船田元自民党衆院議員の妻、畑恵・元参院議員も一時、同党の比例選から出馬しようと動いたが、参院自民党の幹部から「公明党を刺激するな、栃木選挙区で協力を得られないぞ」と一喝されて断念したという。
公明党は建設業界、医師会など、従来の自民支持基盤への浸透も図っている。静岡県選出の衆院議員が言う。
「建設会社の資材置き場などで、公明党の太田昭宏代表と比例候補のポスターがベタベタ張り出されています。公明党はここ2代続いて国交相を出している。その“効果”かもしれない」
政治評論家の有馬晴海氏も、
「公明党は国交相や厚労相など自民党の業界団体を抱えた役所のポストを押さえています。業界の地域の新年会などに公明党の議員も与党の一員として違和感なく出席、受け入れられています」
と指摘し、そのうえで、「今回の参院選では自民党から公明に比例票で200万票は移動する」と断言する。
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