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【社説】
日本年金機構 監視の目が届くのか
2007年6月30日
社会保険庁が解体され、非公務員型の日本年金機構ができても国民の年金不安は解消できない。国税庁と一体化した「歳入庁」など従来とは根本的に違う組織のあり方を検討する時期ではないか。
機構は社保庁の年金業務を引き継ぎ、二〇一〇年にスタートする。業務効率やコスト意識を高める点においては多少ましになるだろう。
だが、社保庁改革法案の国会提出は年金記録不備問題が表面化する前で、記録管理の徹底という視点に欠けている。総務省の検証委員会で記録不備の発生原因を解明し、再発防止策を盛り込むべきだったが、それがされていない。
オンラインシステムに入力され該当者が不明の五千万件の納付記録、入力されずに放置されていた千四百万件の記録などについて、最後の一件まで年金受給に結びつける作業が今後始まるが、社保庁解体で職員を大幅に減らして遂行できるのか。機構に移行する前にすべての作業を終えるよう全力を尽くし、責任が曖昧(あいまい)にならないようにすべきだ。
三年前、社保庁職員が年金保険料を娯楽施設の建設など目的外流用していたことが明るみに出たが、その防止策が機構では不徹底だ。保険料を「年金教育・広報」などに充てることが従来通り認められており、抜け道になりかねない。社保庁に群がっている多数の天下り法人の廃止に一切手をつけておらず、流用継続の受け皿になる恐れがある。
しかも機構の職員は「民間人」なのに給料は税金で賄われ、国家公務員よりも高水準になる可能性があると野党は指摘している。国家公務員法も適用されず天下りはし放題になる。これでは改革とはいえない。
こんな看板の掛け替えのような組織が年金業務を引き継いでも国民の納得は得られない。特に国民年金の未納・未加入者の増加に歯止めをかけることは極めて難しく、無理に徴収しても反発を招き、徴収コストが膨れあがるだけではないか。
現行制度の信頼がここまで失われた以上、制度を抜本的に変える必要がある。英米と同じように社保庁と国税庁を統合した「歳入庁」を設け保険料と税を一緒に徴収する方式を検討すべきだろう。組織をスリム化できるうえ、規律が保て、天下りも規制できる。保険料の徴収率アップも期待できる。
保険料を徴収する社会保険方式自体に限界があるなら、国民年金(基礎年金)の保険料を全額税で賄うことも視野に入れるべきではないか。国民の賛同が必要だが、未納・未加入問題は一掃され、国民すべてに年金が保障される利点があるからだ。
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