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□日本のインテリジェンスのあきれた水準 [池田信夫 blog]
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/07e8753d8dc5726d6c1b4eafa56a1c7b
日本のインテリジェンスのあきれた水準
2007-06-29 / Law/Politics
朝鮮総連の事件は意外な方向に発展したが、これは単なる詐欺事件にとどまらない。それよりも深刻なのは、日本のインテリジェンスの水準がこの程度だということを世界にさらしてしまったことだ。
小谷賢氏によれば、日本のインテリジェンスには戦前から大きな欠陥があったが、戦後になって状況はむしろ悪化しているという。第5次吉田内閣で「内閣情報部」をつくろうという提案が出たとき、「新聞やラジオはすぐに戦争中の情報局を想定して、また報道や世論の干渉を目論んでいるのではないかと一斉に反対し」、立ち消えになってしまった(『日本軍のインテリジェンス』p.216)。インテリジェンスが戦前の憲兵や特高と同一視されているため、いまだに日本には総合的な情報機関がない。
特に深刻なのは、今回のような偽情報(disinformation)に弱いことだ。公安調査庁の仕事は、あまりハイテク機器が役に立たないので、古典的なhumint(要するにスパイ)が主であり、だれが信用できるかを見定めるのが仕事のすべてといってもよい。そのトップにあった人物が、満井忠男のような札つきの詐欺師を信用したというのは信じがたい。
今回の事件でもう一つ特徴的なのは、総連側の代理人が「慰安婦問題の立法解決を求める会」の会長をつとめる土屋公献氏(元日弁連会長)だったことだ。彼は、かつて「拉致問題は日本政府のでっち上げだ」と主張していた。つまり今や偽情報のほとんどは、こうした左翼イデオローグによって公然と流されているのだ。したがってインテリジェンスは広報活動と表裏一体なのだが、公安警察や内閣情報調査室などには情報発信機能がなく、大部分の官庁には広報室という組織さえない。CIAが(よくも悪くも)大規模な謀略活動を行なっているのと対照的だ。
慰安婦問題でも、中国・韓国ロビーが米議会に流した大量の偽情報に対して、counter-intelligenceが機能した形跡がない。それどころか外務省は、今回も「謝れば片づく」という希望的観測で安倍首相に謝罪させ、それが「日本は罪を認めた」という印象を海外に与えて、かえって問題を拡大してしまった。小谷氏の指摘するように、戦略的インテリジェンスの欠如が場当たり的な「短期決戦主義」を生んだ日本軍の欠陥が今も継承されているのだ。
今回の事件を教訓にして、政府は役立たずの公安調査庁を廃止し、情報機関を統合して「攻めのインテリジェンス」を構築すべきだ。情報戦においても、攻撃は最大の防御である。
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